しかし、気にしてチェックをしてみると、同僚男性が言っていたとおり、彼女のウィークデーの休みの日には、課長も必ず休みを取っていた。日曜日のたびに自分とデートできるのは、家庭のある課長がその日は家族と過ごすからだろう。日曜日は彼女にとって最も寂しい日。その寂しい時間を自分が埋めていたのではないか。
その一方で、このまま時間を重ねていけば、妻子持ちの課長から彼女を奪えるのではないかとも考えた。
そんなつらかった期間に、雄介は私のところに婚活相談にやってきた。
お見合いを始めるものの、いい人に出会えない
面談に来た雄介が言った。
「これまで付き合ってきた女性とは、どうも結婚に縁がなかった。ここにきてやっと結婚できる女性に出会えたかと思ったら、課長と不倫しているというし。つくづく女運がないなぁと思ったんですよ。
もう40も見えてきているし、好きだの嫌いだのの感情に流されていないで、結婚をしてきちんと家庭を築きたい。ただ、今の時点で、気持ち的に彼女を切るとことはできないんです。結婚相談所って付き合っている女性がいても、入会はできますか?」
そんな雄介に、私は言った。
「結婚相談所は、独身証明書を提出できる独身ならば、付き合っている異性がいても入会できますよ。彼女への気持ちを断ち切るためにお見合いをするのも1つの方法だと思います。ただ、お見合いでうまくいかなければ、結局は彼女のところに戻ってしまうのではないですか?」
「戻ることはないと思います。お見合いをするのは、彼女への気持ちを断ち切りたいからだし。好きになった女性に好きな男性がいる。しかもその相手が妻子持ち。そこが苦しいんです。自分でこの気持ちを整理するために、何か動かずにはいられないんですよ」
そうして始めたお見合いだった。ところが、それから半年間、いいと思う女性には断られ、雄介が断る女性には好かれ、なかなかいいご縁に恵まれなかった。
そんなときに出会ったのが、麻耶だった。
また、婚活を始めてからというもの、土日のうち日曜日しか休みがない雄介は、お見合いを日曜日にすることが多く、交際に入るとデートも日曜日となるため、美智子と会うのもだんだんと疎遠になっていったようだ。
そして、お見合いを始めて半年経った頃、摩耶と出会った。お見合いのときからいい感触を得て、仮交際に入り、その3カ月後には真剣交際に入った。
真剣交際に入ってからはすぐにでもプロポーズをし、結婚を決めたかったようだった。しかし、結婚の話題を出すと摩耶から返ってくるのは、「焦らずにもう少しお付き合いしたい」という言葉だった。
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