古舘伊知郎が説く仕事で活きる「凝縮ワード」 40年超考え抜いた「言葉の世界」で見えたもの
「自分の話術をなんとかしたい」あなたへ
2016年3月末で「報道ステーション」のメインキャスターを辞め、12年ぶりにバラエティーの世界に舞い戻った古舘伊知郎氏(64)が痛感したのは、一気呵成(いっきかせい)のしゃべりは、時代にかみ合っていないという現実だった。
「音速の貴公子」(アイルトン・セナ)、「燃える闘魂」(アントニオ猪木)など、独特のフレーズで歴史に残る名実況を繰り広げたアナウンサー・古舘伊知郎のしゃべりは、12年の歳月を経て、ことバラエティーという世界においては、さながら浦島太郎と化していたのだ。
「長くしゃべったって、相手は聞いてくれない時代なんですよ」。古舘が信頼を置くブレーンの1人である、放送作家の樋口卓治氏は、彼にこう言い放った。「自分のことばかりダラダラしゃべるのは、もうやめだ」。そう奮い立った古舘は、“相手ファースト”で“渾身の一言に言葉を削ぎ落とす”一点突破の「凝縮ワード」を生み出すことになる。
視聴者によりわかりやすく、より面白く伝える言葉はないか、考え続けた40年超。誰よりも、言葉を煮詰め続けた古舘がたどり着いたのは、今までの話術とは正反対の、「言葉は凝縮するほど、強くなる」という真理だった。
では、その「凝縮ワード」とは、いったい、どのようなものなのだろうか? ここでは古舘直伝の3つのテクニックを紹介する。
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