セブンが沖縄初進出、攻略のカギは「地元愛」

1000万人観光客めぐり「沖縄コンビニ戦争」

空白区だった沖縄に初進出したセブンーイレブン。7月11日のオープン初日には約100人の行列ができる店もあった(写真:セブンーイレブン・ジャパン)

国内コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパンは7月11日、最後の「空白地」であった沖縄県に出店した。

この日は沖縄県内で14店舗が同時オープンした。沖縄の繁華街・那覇市松山に店舗を構える「那覇松山1丁目店」は、開店前の朝7時には約100人の客が列を作った。開店した後も客はみるみる増え、一時は200人が入店待ちで並んだほどだ。地元住民の期待の高さがうかがえた。

今後5年間で250店の出店を目標に

「質の高い出店を継続しながら、町づくりを推進していく」。オープン前日に行われた記者会見の席上、セブン-イレブン・沖縄(セブンの100%子会社)の久鍋研二社長はこう抱負を語った。

セブンは沖縄において、今後5年間で250店舗の出店を目標としている。地元でスーパーや建設事業などを抱える金秀グループの金秀商事とフランチャイズ契約を結び、同社が100店舗の展開を目指す。

セブンのライバルであるファミリーマートは1987年、百貨店などを経営する地元企業リウボウと合弁会社を設立して進出し、5月末時点で325店を展開している。ローソンは1997年に沖縄に進出。その後、2009年にスーパーやショッピングセンターなどを営むサンエーと合弁会社を設立、現在では同232店を出店している。ライバルの出店状況と比べると、セブンが掲げる5年間で250店は挑戦的な目標と言える。

セブンの沖縄進出が大幅に遅れた背景には、セブン特有の出店戦略がある。セブンはまず市場調査を徹底する。そのうえで、一定地域に集中して出店する計画が立つと、中食製造会社にお弁当やおにぎりなどを製造するセブン専用の工場建設を求める。製造や配送の効率化を徹底するセブンらしい方法だ。

ところが、セブンは2014年ごろから沖縄の市場調査を始めていたが、当時は他県にも未出店地がある中で沖縄進出の優先順位は高くなかった。協力会社が工場を建設しても、他県と陸続きでない沖縄は近隣地域へ供給するのは難しい。生産効率性の追求には限度があると見ていたようだ。

その後、2017年6月に沖縄進出を発表した。ある中食製造会社は「250店のために数多くの(多種類の)商品を生産していては、生産効率が高くならない。(協力会社の工場は)沖縄県外での受注を見込んで、沖縄に工場を建設したのかもしれない」と話す。

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