セブンが沖縄初進出、攻略のカギは「地元愛」 1000万人観光客めぐり「沖縄コンビニ戦争」

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出店地域の奪い合いも激しくなりそうだ。本州から沖縄に移住して40年になる住民は「沖縄の人は商品の質にあまりこだわらないので、立地が一層重要だ」と話す。コンビニは元々立地が重要な業態だけに、「セブンは他社が提示する賃料の2~3倍という破格の条件を出す物件もある」(競合幹部)。

今年10月には、現在那覇市内を走る沖縄都市モノレールが4駅延伸する計画で、その駅前周辺は取り合いになりそうだ。アメリカ軍基地の返還が進んだ場合にも新たな立地が生まれるが、そこも各社が狙ってくるだろう。

ゴーヤーチャンプルーなど沖縄専用品を開発

沖縄は地元意識が強く、他県の企業がビジネスを進めるには注意が必要だ。ローソンは1997年に進出した当初、地元企業との合弁会社は作らなかったが、「内地(沖縄以外の都道府県)の企業には土地を貸さない」といった地元の反発もあり苦戦。そこで2009年にサンエーが51%を出資する合弁会社「ローソン沖縄」を設立した経緯がある。ローソン沖縄の古謝社長は「全国規模のローソンと地元のサンエーの両企業の出資があることで、地主の安心感が生まれた」と語る。

ファミマはゴーヤーチャンプルーや沖縄限定のフライドチキンなど、専用商品を投入している(記者撮影)

商品面でも地元志向がある。例えば、ファミリーマートとローソンはゴーヤーチャンプルーや沖縄限定のフライドチキンなど、地元で好まれる専用商品を多く販売する。沖縄ファミリーマートには10人以上の沖縄専用品の開発メンバーがいる。「開発メンバーのほとんどが沖縄出身者。価格感度、容量、見た目など、現地の人だからこそわかることがある」(沖縄ファミリーマートの平良良勝商品・物流・品質管理本部長)。

こういった地元志向を意識してセブンは今回、100%子会社「セブン-イレブン・沖縄」を設立して進出した。セブンはこれまで、新たな都道府県へ進出するために新会社を立ち上げたことはない。沖縄の特殊性を考慮した現れだ。

もっとも、沖縄からみると地元資本が入らない企業である。地元の複数の小売関係者は「当初は地元企業が合弁会社を設立し、商品開発などに関わろうとしたが、セブンが拒否したらしい」と証言する。現地資本を入れなかったことが今後の出店戦略や商品開発にどのような影響を与えるのか注目される。

目標の250店を達成するための加盟店オーナー集めも現時点では不透明だ。当初はオーナー希望者向け説明会に入場制限がかかるほどだったが、現在の説明会にはそれほどの応募がないようだ。

6月下旬に開店前工事中の那覇松山1丁目店を訪れると、壁面に「セブンイレブン経営者募集中」との大きな貼り紙があった。沖縄の特別条件として、加盟店がセブンに支払う加盟店手数料を5%ポイント減額する。この破格の条件設定について、セブンは「商品にかかるコストが異なるので、公平平等な仕組みということで設定している」とする。ただ、小売関係者からは「オーナーを集めるためのパフォーマンスで、悪く言うとかなり焦っている」といった声が聞こえてくる。

戦いの火ぶたは切って落とされた。セブンは後発地域でも相応のシェアを伸ばしてきたが、果たして沖縄ではどうだろうか。

遠山 綾乃 東洋経済 記者

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とおやま あやの / Ayano Toyama

東京外国語大学フランス語専攻卒。在学中に仏ボルドー政治学院へ留学。精密機器、電子部品、医療機器、コンビニ、外食業界を経て、ベアリングなど機械業界を担当。趣味はミュージカル観劇。

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