セブンが沖縄初進出、攻略のカギは「地元愛」 1000万人観光客めぐり「沖縄コンビニ戦争」

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セブンと競合する他社の幹部は「かなり大きな工場をつくったので、沖縄向け供給だけでは採算が合わないのではないか。アジア向けにも輸出するのではないか」と推察する。

沖縄は中国や台湾、タイなど東南アジアと距離的に近い。セブンは「沖縄以外への展開について現在決まったものはない」とするが、将来的にプライベートブランド「セブンプレミアム」など沖縄で製造した商品を中国や台湾などに輸出したり、本州から海外に商品を送る経由地として活用したりする可能性もありそうだ。

インバウンド需要増で急成長する沖縄

今回進出した理由としては、沖縄市場が成長していることもある。「沖縄県は人口が減っていない上に、インバウンド需要も増えている」(ローソン沖縄の古謝将之社長)。沖縄県の人口145万人に対し、今や年間999万人もの観光客が押し寄せているのだ。

那覇の一等地の交差点では、セブン開店を知らせる大きな広告が掲げられていた(記者撮影)

実際、ファミリーマートやローソンの沖縄での売り上げは好調だ。2019年2月期のファミマの全国日販(1店舗1日当たり売上高)は53万円だが、沖縄では約65万円。これは業界トップであるセブンの全国日販65.6万円とほぼ同水準だ。ローソンも全国日販が53.1万円のところ、沖縄では50万円台後半に達するとみられる。

成長市場の沖縄だが、セブンの参入でコンビニ各社による激しい顧客争奪戦が想定される。「いくら1000万人の観光客が来るとはいえ、今後は血で血を洗う戦いになってくる」と、沖縄ファミリーマートの野﨑真人社長は警戒する。

現在沖縄県にあるコンビニは1店舗あたり人口2600人をカバーしている。セブンが250店を出店し、ファミリーマートやローソンの店舗数が変わらないと想定した場合、1店舗あたりの商圏人口は1800人に減少する。セブン出店により、ファミリーマートとローソンの既存店舗の日販は、最大2~4割程度落ち込むと見積もられている。

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