バカ売れ高級ボールペンはこうして生まれた 三菱鉛筆「ジェットストリーム プライム」開発秘話

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「プライム」専用のディスプレイ

試用ペンには通常、盗難防止用にゴムやチェーンが付けられる。だが、それが商品に巻き付き、売り場がだらしなく見えることが難点だった。そこで、棚が荒れないよう、巻き取り式のワイヤーを取り付け、使用時以外はひもの部分が出ないようにした。

さらに、ペンとワイヤーを結びつけるうえで、ペンのデザインをできるだけ壊さないよう、専用の接続部品を開発した。試し書き用の紙の奥には筆記中の手元を見られるミラーを設置するなど、細かいこだわり要素も盛り込んだ。

それでも、三菱鉛筆にとって経験の浅い高価格帯の商品をガラスケース外で販売するスタイルを不安視する声が社内外で噴出した。「什器の開発や売り方を説得するのに結構、時間がかかった。実はこれも、発案から2年もかかってしまった理由の一つ」と髙梨課長代理は苦笑する。だが、売るための仕組みを整えたことも、プライムがヒットした一因となったようだ。

好調な店頭販売を受け、法人ギフト用としての注文も入り始めている。3月の書き入れ時に向け、通常のパッケージとは別に、専用の贈答ケースも用意するなど、準備は万端。ジェットストリーム プライムの快進撃はまだしばらく続きそうだ。

鈴木 良英 東洋経済 記者

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すずき よしひで / Yoshihide Suzuki

『週刊東洋経済』編集部記者

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