参院選は政治家のイメージだけでなく顔も見よ

中島岳志とプチ鹿島が徹底的に語り合った

「令和初の国政選挙」では、政策だけで選ぶべきではない、それでは何をもって選択すべきなのか。中島岳志氏(左)と、プチ鹿島氏から話を聞いた(撮影:梅谷秀司)
第25回参院選が7月4日に公示され、21日の投開票に向けた選挙戦がスタートした。消費増税や憲法改正、年金などが主な争点となる「令和初の国政選挙」で、私たちは何を選択すればいいのか――。
自民党の首相候補政治家をその言葉、著作から徹底的に分析した『自民党 価値とリスクのマトリクス』を著した中島岳志氏と、時事ネタを得意として多方面で活躍する芸人のプチ鹿島氏が徹底的に話し合った。

政治家よ、まずは本を書け!

プチ鹿島(以下、鹿島):過去の本を読むなんて、その手があったか! と思いました。実際に、過去の発言は今の話につながっているんですよね。例えば「論破」という言葉は、ネットの中でもとくに言葉の強いタイプの人が使います。実はその「論破」を安倍晋三首相が若いころの著作で使っていた。

中島 岳志(以下、中島):しかも民主党などとの論戦で使うのではなく、自民党の議員に対して「論破」を使っているのが面白い。言葉遣いにそういった政治家の地金(じがね)が出ますよね。

鹿島:著作や対談などの文字に残っているものは、消すことができませんから。

その他にも、安倍さんの祖父である岸信介元首相のこんな話が出てきます。岸信介は、安保条約を通すために反対派の大野伴睦に次の政権を禅譲すると約束し、念書まで書きます。でもその約束を破る。自分の親戚から「ひどい」と指摘されても、政治は結果さえよければいいのだと開き直る。

中島:このエピソードについて「祖父の決断はやむをえなかった」と安倍さんは書いています。そして「心情倫理」としては問題があったかもしれないけれども、政治家は「結果責任」が問われると言い、祖父の行動を肯定しています。

鹿島:安倍さんが岸の政治スタイルを受け継いでいることは、よく指摘されていますけど、実は岸の「開き直り」のスタイルも受け継いでいる。さまざまな問題があったのに、なかったことにしようとしたり、指摘されても平気だったりする態度は、そこから来ているのだと思いました。

著作を読むと過去について知ることができますが、そもそも本を出していない政治家もいる。首相候補なのに本を出していない政治家ってなんだよ! って気づきもあります。

中島:首相候補と言われるのであれば、自分の中核的な考え方を本にして、世に問うてほしい。それに政策を知りたいと思ったとき、国民が手に取れるものがないと、判断材料がありません。だから「ちゃんと本を書いてほしい!」ということは強調しました。

鹿島:小泉進次郎さんは、1冊も本を出していません。人気があって首相候補と言われているのに、彼がどんな政策を立てようとしているのかわからない。

中島:彼は、やはりお父さんを強く意識していると思います。小泉純一郎元首相が郵政民営化でやろうとしたことを、農協でやろうとして失敗した。しかも進次郎さんは、当選直後のインタビューにおいて体育会部活動で徹底した上下関係を経験したことを語り、それが政治に生かされていると言います。

鹿島:そうそう、マッチョなんですよ。僕は2013年から「本当は怖い小泉進次郎説」を主張しています。好青年イメージだけど、みんながついていった途端、とてつもない政策を言い始めたら止められないですよ。

中島:彼が上に立ったら、「俺に従え」というような政治をすると思います。

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