「謎肉」起点の植物肉人気、ケンコーマヨの勝算 世界中で巻き起こるブームのワケ
「2017年夏に日清食品ホールディングスが、カップヌードルの”謎肉”に大豆が使われていると発表した影響が大きく、大豆ミートが注目されて採用する日本企業が増えてきた」(日本植物蛋白食品協会の篠崎一彦専務理事)
さらに「訪日外国人の間でニーズが高まっているベジタリアン対応や、東京オリンピック・パラリンピック開催がブームを牽引している」(同)と解説する。日本国内では不二製油が大豆ミート素材の新工場を24億円かけて建設を計画するほか、マルコメ、大塚食品などの食品メーカーも大豆ミート商品を投入。食品スーパーでの取り扱いも増えてきている。
米英で沸き上がる代替肉ブーム
海外に目を向けると、ブームはさらに本格的だ。アメリカでは5月に植物由来のバーガーパティやソーセージを開発・製造するビヨンド・ミートが上場した。同社はアメリカ・マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツが同社を支援している点でも注目されており、上場後の株価は急伸し投資家たちの注目を集めている。
アメリカのハンバーガーチェーン大手のバーガーキングは、大豆ミートが主原料のインポッシブル・フーズ社の代替肉パテを使用したハンバーガー「インポッシブル・ワッパー」を4月から一部店舗で試験的に導入。好調を受けて今年度中に全米で発売する計画だ。
また英国ケンタッキーフライドチキンは7月から1カ月間、一部店舗で代替肉を使用した「インポスター・バーガー」を試験的に販売する。「糸状菌がベースのマイコプロテイン(キノコのタンパク質)を原料とした代替肉『クォーン』を使用している。当初は6月に発売予定だったが、反響が非常に大きく7月になった」(同社)。今は試験段階で、定番化は決まっていないという。
国連は世界の人口は2018年の76億人から2050年には97億人に達すると推計している。今後、新興国を中心に肉や魚の需要が拡大すれば、供給不足に陥る「タンパク質危機」が叫ばれている。
ベジタリアン対応などに特化した日本国内のレストラン検索サイトを運営するフレンバシーの播太樹代表は、「動物性タンパク質に代わる持続可能なタンパク質として、代替肉の需要は増えていくだろう」と語る。
また、「スーパーやコンビニで大豆ミートの総菜販売が広がれば、日本でも市場が拡大するのではないか」(日本ベジタリアン協会の垣本充代表理事)との指摘もある。多様でおいしい商品が増えてくれば、肉、魚に続く第3の肉として大豆ミートが定着する日は遠くないのかもしれない。
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