3度結婚をした46歳女性の「本心に率直」な人生 ガマンし続ける結婚への素朴な疑問

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高校を卒業してからアメリカの短大に入った直美さん。卒業後は帰国するつもりだったがリチャードさんと離れがたくなり、アメリカでの暮らしも肌に合っていた。日本企業の現地法人で働き始め、25歳のときにリチャードさんのプロポーズを受け入れた。

しかし、リチャードさんは優しいけれどストレスに弱いタイプだった。仕事に不満を抱え、覚せい剤を常習するようになってしまった。

「無断で1週間も外泊していたかと思うと、10キロもやせて帰ってくることがありました。問い詰めると『もうドラッグはやめる』と宣言するのですが、結局やめられません。そのうち、言葉の暴力があったり私の私物がなくなったりして、もう一緒に暮らしていけないと判断しました。好き嫌いの問題ではありません」

別れたくないリチャードさんと警察沙汰にもなった後に27歳で別居し、28歳で離婚することができた。エネルギッシュな直美さんは疲れ果てたりはせず、仕事と恋愛に邁進。日米の男性と交際した後、取引先の和也さん(仮名)と親しくなる。

「最初は電話で仕事の話をするだけの関係でした。彼はとても対応がソフトで、的確なので好意を持っていたんです。彼も同じように私のことを思ってくれていたようで、共通の友人を介して飲みに行ったら意気投合。それから毎日会うようになり、2カ月後にはプロポーズされました」

2度目の結婚生活はセックスレス

和也さんは1歳年下のほぼ同世代でバツイチ。仕事への真摯な姿勢も直美さんと似ていて、物腰は柔らかい。リチャードさんとの共同生活で苦労をした直美さんは、和也さんとならば豊かに楽しく暮らしていけると思ったのだろう。プロポーズを受け入れることにした。ちょうど30歳だった。

ここで冒頭の発言に戻る。和也さんは心優しい働き者で、何よりも妻である直美さんのことが大好きだった。できるだけ早く仕事を終え、手作り料理を用意して直美さんの帰りを待っていてくれるような男性だ。直美さんも彼のことを人として大好きだったが、男性として見ることができなくなっていった。

「彼から求められるほど気が重くなってしまい、結婚2年目からはそういう行為がまったくできなくなりました。家族としてしか見られないので、申し訳ないけれど気持ち悪くなってしまうんです。ハグならば問題ないのですが……」

まだ若くて元気な2人。子どもがいないこともあり、お互いの行動を束縛するようなことはなかった。直美さんも深夜遅くまで友だちと飲むことがあり、「ちょいちょい悪さ(浮気)をしていた」そうだ。そして、現在の夫である広行さんと出会う。

「同じ州にある日系の同業他社から引き抜きにあったのがきっかけです。マネジャー職になることができました。200人ぐらいの支社で働くことになり、マネジャー同士はとても仲良かったんです。みんなでしょっちゅう飲み歩いていました」

俳優の大沢たかおのようなさっぱりとした外見、温厚な人柄。「最初からすべてが大好きだった」と直美さん。ただし、広行さんも既婚者である。

セックスレスだけが問題の直美さん夫婦とは異なり、広行さんの家庭はすでに崩壊状態だった。奥さんは、母親とは別居するという結婚当初の約束を反故にして日本にいる母親をアメリカに呼び寄せ、広行さんは同居を余儀なくされた。家賃や生活費はすべて広行さんが払い、頻繁に帰国する妻と義母の渡航費も負担。アメリカの広い家で1人残される期間が続いていた。

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