「異色のNHK番組」がハイエクに注目した理由 「歴史上の知の巨人」の視点から見る資本主義
知の巨人たちの言説のリレー
――今回の『欲望の資本主義3:偽りの個人主義を越えて』は、GAFAや仮想通貨をテーマに資本主義を考える内容ですね。
丸山俊一(以下、丸山):GAFA、仮想通貨、信用経済……、テクノロジーが可能にしようとしている新たな資本主義の中で僕らはどんなスタンスをとるべきか? そしてどう考えるべきか?
新春に放送したBS1スペシャル「欲望の資本主義2019~偽りの個人主義を越えて~」に登場した皆さんから、スコット・ギャロウェイ、チャールズ・ホスキンソン、ジャン・ティロール、ユヴァル・ノア・ハラリ、マルクス・ガブリエルの5人をピックアップし、番組には盛り込みきれなかった言葉を所収しています。
まず、GAFAが席巻する現状へのギャロウェイによる分析、批判から始まった問題提起は、その打開策には仮想通貨こそが有効だという、仮想通貨開発者であるホスキンソンのある種の革命的な主張による解決策の提案へと続きます。
すると、それに対し次なる重鎮、ノーベル経済学賞受賞のティロールが、その実現性に対して論理的な見解を提示し冷や水を浴びせ、「市場の失敗」を国家による修正に託す道を説くわけです。
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