「ヤフーは楽天もアマゾンも愛してます」

小売・Eコマースの未来像(1)

小澤:ヤフーの小澤です、よろしくお願いいたします。副社長が立派な挨拶をしましたので、それを受けまして、もう少しEコマースについてお話をさせていただきます。冒頭に申し上げたいのは、ヤフーは楽天もアマゾンも愛しているということです。大好きです。出店してくれ!全店、全出品してくれ!

小澤隆生(おざわ・たかお)
ヤフー執行役員ショッピングカンパニー長 
早稲田大学卒業後、CSK入社。1999年にビズシークを創業。2年後に同社を楽天に売却後、役員としてオークションを担当する。その後、楽天イーグルス立ち上げを担当。YJキャピタル取締役COOを経て、2013年7月より現職。

ヤフーは単体で、Eコマースで独り占めして勝とうとは1ミクロンも思っておりません。ここにいらっしゃる伊勢丹さん、三越さんの商品もぜひともご掲載いただきたいですし、楽天さんの全商品もご掲載いただきたいです。インターネット上にある商品のデータ、Eコマースのデータというのは、すべて上手にヤフー上からお客さんを取っていただくために、メディアとして、Eコマース関連事業者の方にご活用いただきたい。これが、2013年10月に発表した、Eコマース革命の話です。簡単に言えばメディアになりましたと。ショッピングモールとはいうものの、我々はメディアでございます。

Yahoo!ショッピングが全然勝てない理由

なんでここに至ったかと申しますと、いろんな経緯はございますが、Yahoo!ショッピングというショッピングモールと、ヤフオク!という、2つのサービスがヤフーにはあります。私は、楽天において、楽天オークションというサービスを担当させていただいていた時期が3年くらいあるんですけれども。

ヤフオク!はやっぱり強いですね。ヤフーっていくつか、強いサービスあるんですよ。ニュースとか、天気予報とか。ヤフーが得意なのは、人がいっぱいいるところに、ニュースとか天気予報みたいに、誰でもが見るようなコンテンツをぶちこむこと。そりゃ見られるに決まっています。

もう1つは、C to Cみたいに、売り手と買い手をぱっと集める。特にCを集めるサービスが得意でして。オークションみたいなのは、バーっといくんです。ただ、ショッピングモールみたいに、ばりばり営業をかけて、一生懸命、売り手の方に頭を下げる、みたいな文化がなかなかないものですから、Yahoo!ショッピングは14年間やって、全然勝てないんですね。ぜんぜんお客さんにも使ってもらわないまま、エンジニアも最終的に数人で運営していたらしく。こんなもんでサービスうまくいくわけない、ということで、おそらく経営陣のなかではずっと問題視されていて、喉元に骨が刺さったままおそらく14年やってきたんじゃないかなと思います。

そんな中でも、楽天市場がばーっと伸びて、アマゾンがばーっと伸び、Eコマースの市場が、小売全体の7%とはいえ「兆」の単位で伸びていくなかで、オークションというのは、今頑張って7000億円くらい。Yahoo!ショッピングは、ここ3年くらい、フラットから少し下がっているんです。とはいえ、経営陣がなんでショッピングに力を入れてこなかったかというと、これは当たり前の話でして、広告のほうがめちゃくちゃ儲かるんですよ。ヤフーにひとりお客さん来て、広告見せたらチャリン、のほうがずっと楽なんです。

ショッピングのほうに移動して、それで買うか買わないのか分からないのに、移動させた挙げ句クリックされて3%、みたいな。全然儲かりませんから。もう、どでかいグランドパネルみたいなものをボコンと見せて、「これ3000万円!」と言っているほうが儲かるんです。Yahoo!ショッピングにヤフーから人を持ってくる、みたいなことはしないんですよ。これは経営陣としては、当たり前の話ですよ。

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