関西人36歳女性が「笑えない夫」を選んだ理由 「お姉ちゃんは上から目線!」と妹が一喝

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突っ込みどころのある男性である。話が合わなかったのは年齢差のせいではなく、その彼女と直樹さんが似た者同士だからだと思う。どちらも“かわいがる”のではなく“かわいがられる”タイプだったのだ。また、同い年がいいと言いながら、結婚相手の恵さんは3歳年上である。

「あ、いや、35歳までならいいかな、と」

微妙にかみ合わないが、不思議な面白みがある男性だ。恵さんは直樹さんと筆者のやりとりを楽しそうに聞きながらカレーを食べ、ときどき彼の口元を拭いてあげたりしている。余裕が感じられる。恵さん、結婚生活はどうですか。

ときめきはないが、穏やかで明るい結婚生活

「以前は、恋愛の延長線上に結婚を考えていたんです。私を引っ張ってくれて、新しい世界を見せてくれるような男性に魅力を感じていました。でも、どちらかと言うと弁が立っちゃう私にはそういう男性は向いていない気がします。

新婚旅行は南米に行きましたが、ちょうど農民のデモがあり、暴動みたいになって大変でした。直樹さんは私を守るというよりも、ひたすら怖がっていましたね(笑)。確かに危ない状況だったので、なだめすかして帰って来ました」

行動力とコミュニケーション能力には自信がある代わりに、「地に足をつけることが苦手」だと自認している恵さん。新卒で入った会社でずっとまじめに働いている直樹さんに安心感を覚えている。

「仕事場から家に帰ってきて、彼に話を聞いてもらうだけで解消されるストレスもあるんだと知りました。場合によってはマッサージもしてもらえます(笑)。1人じゃない。それがうれしいです」

現在、恵さんは妊娠中だ。好きだった飲み歩きを控えているが、苦しくなるほど人恋しくなったりはしない。誠実でかわいげがある直樹さんがそばにいれば、いつでも笑いを生み出せるからだ。胸を焦がすようなときめきはなくても、穏やかで明るい気持ちでいられる結婚生活がここにある。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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