円安効果も続き、国際帝石の増収基調は持続しそう。次回のランキングでも、同社がトップ争いの有力候補となることは、ほぼ間違いないだろう。任天堂を超える、初の4年連続トップ企業となる可能性も十分ありそうだ。
首位を狙う、高収益のファナック
2位は、前年3位から上昇したファナック。総合得点は3707点と、前年3601点から100点以上の大幅アップとなった。成長性951点、収益性872点、安全性996点、規模888点と高いレベルでバランスよく得点している。
工作機械用NC(数値制御)装置世界トップなど、独自技術に強みを持つ同社は11年9位、12年3位、13年2位と着実にランクアップしてきた。14年3月期は減収減益の予想となっているが、トップの国際帝石にどこまで迫れるかが注目だ。
3位は3年連続2位だったヤフー(総合得点3597点)が、一つランクダウン。成長性883点、収益性923点、安全性985点、規模806点といずれも高い得点ながら、2012年に比べると、成長性は24点、収益性は43点減少。
今回の調査で見ると、大企業になるにつれて伸び悩みの傾向が出ているうようにも見える。ただ、2012年6月に就任した宮坂学社長が「爆速経営」で実績を上げており、次回調査では、巻き返しが期待される。
一方で、安全性、規模はさらに上昇。ヤフーは、収益性では1位国際帝石、2位ファナックも凌ぐ。他のカテゴリーで積み上げができれば、今後、首位も狙えそうだ。
4位は、前年10位から大きく順位を上げたデンソー(3575点)。成長性802点、収益性802点、安全性971点、規模1000点と安全性、規模が特に高い。同社は06年7位、07年5位とかつて上位の常連だったが、その後はランクダウンしていた。しかし、11年28位、12年10位と徐々に復活し、今回、自己最高順位を更新した。
リーマン・ショックが発生した09年3月期は840億円の最終赤字となったが、その後は順調に業績を回復。特に13年3月期は北米向けの好調と円安効果もあり好決算となった。14年3月期はさらに増収増益で最高益を見込み、トップ3入りも目前だ。
5位はソーシャルゲームのグリー(3572点)が前年8位から上昇。成長性1000点、収益性1000点、安全性957点、規模651点とデンソーとは対照的に成長性、収益性が高い。ただし、同社の場合は対象決算期が12年6月期までであることに注意してほしい。減収大幅減益となった13年6月期は今回対象外のため、次回は順位が下がることになりそうだ。
6位はNTTドコモ(3571点)で、成長性721点、収益性861点、安全性989点、規模1000点だった。売り上げは伸び悩んでいるが、高財務体質は持続。MNP(携帯電話番号ポータビリティ)で劣勢に立たされているものの、ライバルのKDDI33位(3443点)、ソフトバンク18位(3471点)よりも頭一つ抜き出ている。
ライバル2社のうち、ソフトバンクは前年25位より上昇し、17位から下がったKDDIを追い抜いた。米スプリント買収など大型M&Aで14年3月期は売り上げもNTTドコモも上回ることになりそう。この勢いで今後、さらに順位を上げてくるかもしれない。
以下、7位キヤノン(3557点)、8位コマツ(3556点)、9位ディー・エヌ・エー(3555点)、10位武田薬品工業(3522点)と続く。初登場で上位となったのが、15位リブセンス(3498点)。求人情報サイトを運営する同社は12年12月期の売上高は22億円とまだ少ないが、倍々で成長中。利益もほぼ連動で増加している。
他に20位クックパッド(3465点)、21位エムスリー(3458点)などの新興企業が上位進出を狙っている。今回は前回に引き続き、自動車関連企業の上昇が目立った。4位デンソー、12位ブリヂストン、16位トヨタ自動車はいずれも前年より順位を上げている。大きく上げたのが38位いすゞ自動車(前回145位)と、39位富士重工業(同247位)の2社だ。
円安効果や海外の需要増で両社とも13年3月期は最高益を更新。14年3月期はさらに更新見込みと絶好調を持続している。自動車関連企業の快進撃はまだ続きそうだ。
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