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「クワガタを稼業にした」47歳男の波乱万丈人生 垣原賢人が「ミヤマ☆仮面」に変身した理由

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家族の強力なサポートに感謝しながらも、父親としていつまでも甘えてばかりいるわけにはいかない。

そう感じた垣原は、病を克服することを決意。一刻も早くミヤマ☆仮面として復帰すること、そして“大きな目標を持つことによって心身ともに強くなっていくのではないか”と、なんとプロレスラーとして再びリングに立つことを自らに課したのだった。

「ファンの声援が何よりの治療」

復帰へ向けたトレーニングを再開した垣原は、2017年8月14日、晴れてプロレスイベント「カッキーライド」としてリングへの復帰を果たした。

プロレスの世界に入るきっかけとなった恩師の藤原喜明を相手に、約10分間のエキシビジョンマッチを行い鋭い動きを披露した。これだけのコンディションを作り上げるのは、並大抵の努力ではなかったはずだ。それを知るファンたちによる盛大な“カッキー”コールを、垣原は全身で受け止めた。

「鳥肌が立つほど感激しました。ファンの声援は僕にとって何よりの治療です」と話す姿からは、今でも多くのファンに愛される人柄が垣間見える。

垣原はつねに明るく前向きに振る舞うため、ついついがん患者であることを忘れてしまうが、食事療法を自らに課している姿を見ると、今でも再発という見えない恐怖と戦い続けていることを改めて思い知らされる。

一方で、プロレスの世界で養ったネバー・ギブアップの精神を持つ垣原なら、きっとこの難病すら克服してしまうように思えてならないのだ。

2017年、「カッキーライド」としてリングへの復帰を果たした(写真:OCEANS/長尾 迪=本人提供)

僕らは、いつも心のどこかでカッコいい大人でありたいと願う。垣原の力強い生きざまは、まさに「カッコいい大人」そのものだ。自分の家族にカッコいい背中を見せたいと願い、今日もステージに向かう。日本の子どもたちに自然の大切さを伝えるために、今日もマスクを被る。

「昆虫ヒーロー。ミヤマ☆仮面だ。よろしクワ〜」

今日もどこかで、ヒーロー・垣原賢人の元気な声がこだまする。

(取材・文/瀬川泰祐)

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