「クワガタを稼業にした」47歳男の波乱万丈人生 垣原賢人が「ミヤマ☆仮面」に変身した理由

子どもの頃、日が暮れるまで昆虫採集に没頭したあの日々を覚えているだろうか。
あの頃、僕らの好奇心は間違いなく、バッタやトンボ、蝶、そしてカブトムシやクワガタなどの昆虫に向けられていた。とくに発達したツノを持つカブトムシや大顎を持つクワガタの格好よさに、強い憧れを抱いた読者も多いのではないだろうか。
思えば、僕らの好奇心は時の流れとともに変わっていった。森が切り開かれ、あらゆる場所がアスファルトで舗装されることに違和感を覚えることもなく、新しいモノや新しい娯楽に夢中になった。その便利で快適な暮らしの中で、僕らは昆虫を忘れてしまったのだ。
だが、そんな時代を生きてきたにもかかわらず、幼い頃からこれまでずっと昆虫に好奇心を持ち続け、ついにそれを職業にしてしまったスゴイ男がいる。プロレスラーの垣原賢人(47歳)だ。
34歳の若さで「引退決意」
2006年当時、新日本プロレスの看板選手として活躍していた垣原は、5月28日に多くのファンに惜しまれながらプロレスの世界から身を引いた。プロレスの聖地・後楽園ホールでの引退試合。

ライバル選手との最後の一戦を終えた垣原は、リング上でマイクを握って次のように語り、17年間の現役生活を締めくくった。
「1989年にUWFに入門してから17年、プロレス界でたくさんのことを学びました。いいこともたくさんありましたが、たび重なる団体の崩壊やケガなどで本当に苦悩した現役生活だったと思います。でも、今日こうしてすばらしい引退試合ができ、僕のプロレス人生、ハッピーエンドだったと思います。今まで長い間、応援ありがとうございました」