月3万円投資で「3000万円」作れる投信がある 883本運用する投資家に「ベスト投信」を聞く

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期限前償還になると、損失を回復するまで保有し続けたいと思っても、強制的に償還されます。結果、償還日時点の基準価額で償還金が支払われるため、購入時の基準価額を下回った分だけ実損失を被ることになります。こうして「CAM世界金融機関ハイブリッド・ファンド」は約67%のマイナスになりましたが、幸いなことに私の買い方だと1本あたりの投資金額が小さいので、損失額もたかが知れています。

次に883本の投資信託全体のパフォーマンスですが、値上がり益と値下がり損を相殺し、これに分配金を加えた年平均利回りは「2%程度」です。「たったの2%?」という声もありそうですが、米中貿易摩擦イベントで市場があたふたする中、ランダムに買った883本の投資信託で年平均2%のリターンですから、それほど悪いとは思っていません。

さて、今も申し上げたとおり、購入した投資信託のセレクトはランダムに行いました。本来なら、「コストの高低」「過去の運用実績」「現在の純資産総額」など、さまざまな要素を考慮しながら、全体の資産クラスへの配分比率にも配慮してポートフォリオを組んでいきます。今回に限っては、口座を持っている証券会社のホームページに表示されている順番に、上からどんどん買っていきました。なので、日本株に何%、アメリカに何%、株式と債券の配分比率をどうするかといった点は、まったく考慮していません。

マーケット下降時に弱い「アクティブファンド」

このようにランダムな買い方になりましたが、ざっと見ると、株式を組み入れた投資信託が8割を占めています。投資地域に関しては、さすがに883本も分散させると、結果的にさまざまな国のマーケットに投資する形になり、全体的にはグローバル型のポートフォリオになりました。

この883本に投資したポートフォリオを見て気づいたことがあります。それは、アクティブファンドはマーケットが上昇トレンドにある時は強く、インデックスファンドを超えるリターンを実現してくれます。しかし、下降トレンドになると、基準価額の下げがきつくなり、インデックスファンドよりも大きくやられるケースが多いことです。

よく「アクティブvsインデックス論争」が行われ、アクティブファンドはインデックスファンドに勝てないという論調が主流を占めていますが、どちらが勝つかというよりも、リスク・リターンの特性が異なるだけの話です。マーケットの環境次第では、インデックスファンドがアクティブファンドに劣後するケースもあるのです。

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