サントリー、飛躍のカギ握るビーム社買収

安い買い物になるのか

ビール類は国内で着実にシェアアップ

海外展開の加速の裏で、着実にシェアアップを図っているのは、国内のビール類市場だ。市場全体が縮小傾向にある中で、サントリーのビール事業は、2008年に営業利益約30億円を出して黒字化、市場シェアも12.4%で初めて3位となった。シェアは2013年1―9月期には14.8%まで高まっており、大手ビール幹部は「20%をうかがう水準になると勢いが付く」と警戒している。

同社の強みは、「ザ・プレミアム・モルツ」をサントリーを代表する強いブランドに育てたことにある。プレミアムモルツは、2013年に10年連続で過去最高の販売数量を記録。2014年も更新を計画している。

サントリー酒類の水谷徹常務は「ザ・プレミアム・モルツはサントリービール事業全体の品質イメージ向上につながって、金麦やオールフリーにも好影響を与える。(全てにおいてプレミアムという)プレミアムサントリーの方針の下、効果的なマーケティング戦略を展開し、プレミアムモルツ中心に事業を拡大する」と言い切る。

ある業界関係者は「早々に発泡酒の製造販売からの撤退を決めるなど、非上場だけに決断が速い。一方で、ハイボールのように粘り強く仕掛ける面もあり、今は好循環となっている」とみる。

2014年、国内ビール系市場では、大手が揃うことでプレミアム市場での競争が激化することは間違いない。すでに大手外食チェーンがサントリーからアサヒに切り替えたことで、2014年のプレミアムモルツの業務用は、前年比マイナスの計画を出さざるを得なくなった。

このプレミアム競争をどのように乗り切るか、プレミアムビールブームに乗ってさらにシェア拡大を図ることができるか、注目される。

(清水律子 取材協力:ソフィー・ナイト 編集:田巻一彦)

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