「社員は家族です」という経営者の甘え 会社はあくまでも「取引先」でしかありません。

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取引先の業績が悪いというのであれば、新しい取引先を探す(転職する)のは普通のことです。間違っても、会社と心中するなんてことはありえません

このような考え方は、一見、冷徹なように思えるかもしれませんが、会社と社員がお互いに適切な距離を保つことは、経営者と社員双方が「甘え」の気持ちを持たなくなるという点でも意義があります。

家族のような身内だと、どうしてもなあなあになってしまい、お互いに約束が守れなくなったりすることがありますが、「取引先」は完全な他人ですから、約束はしっかり守らなければなりません。残業をすれば当然、残業代は払われますし、一方で社員の側も、給料の額に見合うだけの仕事をきっちりと果たす責任があります。

お互いに「よい関係」であるためには、距離は近すぎてはいけないのです。

会社と「取引先」として付き合うために

それでも多くの会社は、社員に対して会社との距離を縮めることを強要してきます。最後に、そういった強要に打ち勝って、会社と「取引先」として付き合う心を忘れない方法を紹介しましょう。

いちばん手っ取り早いのは、転職サイトに登録することです。

別に、本当に転職しろと言っているわけではありません。ただ、「転職する未来だってある」ということを意識できれば、それで十分です。転職サイトで求人を眺めているだけでも、今の会社でずっと働くだけが未来ではないんだ、ということがよくわかります。本当に転職したいと思ったら、そのときは本腰を入れて会社を探せばよいでしょう。

あるいは、規模は小さくてもよいので、会社とは関係ない自分のためのビジネスを始めてみるのもお勧めです。

そういうビジネスで本当に満足行くだけのおカネを得ることは、決して簡単ではないですが、少なくともチャレンジするだけで「今の会社がすべてではない」ということは意識できるようになります

みなさんが、会社とうまく距離を保ち、健全な関係を維持できることを祈っています。

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日野 瑛太郎 ブロガー

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ひの えいたろう / Eitaro Hino

1985年生まれ。東京大学工学部卒業。東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。大学院在学中、就職するのが嫌でWebサービスの開発をはじめ、それがきっかけとなって起業をするが、あえなく失敗。結局、嫌で嫌で仕方がなかった就職をすることになる。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。ブログはたちまち月間約50万PVの有名ブログになり、現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)がある。

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