4時間切りで新時代突入、「北海道新幹線」の課題

札幌延伸時は「大宮」の重要性が増す?

今回の発表で、東京―札幌間4時間半の看板とともに道内主要駅間の所要時間を示したことも、JR北海道としてはアピールしたい点である。それによると、札幌―新青森間1時間半、札幌―新函館北斗間1時間、札幌―倶知安間30分とされた。札函間1時間は、現在3時間30~40分を要する在来線気動車特急に対して劇的な短縮であるばかりか、丘珠~函館間の航空よりも短い時間で都市間の移動ができる。

新函館北斗駅の東京からの実キロは823.7km。これまでの考えでは鉄道がトップシェアを握れる距離帯をやや超えているので今後の対策に期待がかかる(撮影:久保田 敦)

函館は旭川に次ぐ北海道第3の都市でありビジネス流動が期待できるほか、道内で発生する観光需要の最大の目的地とされる。この時間が持つインパクトは、道内に漂っている北海道新幹線に対する懐疑論や無関心に一石を投じると期待される。

また、倶知安を掲げているのは、ウィンタースポーツなどのリゾート地としてインバウンドに絶大な人気を得ているニセコの玄関であり、新幹線からの接続交通体系づくりが、これもまたJR北海道にとって重要なためである。

貨物共用走行、並行在来線など課題山積

同時に、長期ビジョンでは、2031年度の連結最終利益を黒字化し、国の支援なしで経営の自立を図ることを目標として示しているが、その中に、JR北海道単独では解決が困難な課題として、北海道新幹線の共用走行問題の解決と合わせて青函トンネルの維持管理等に係る問題の解消を挙げている。

現在、青函トンネルは鉄道・運輸機構が保有するものの、JR北海道は線路使用料のほか日常的な保守費についても負担し、しかも現在は基本的にJR貨物の列車しか使用しない在来線専用の分岐器等線路設備も、JR北海道の負担と区分されている。それに対する枠組みの再考を、JR北海道として求めている部分である。

新幹線札幌延伸時の並行在来線の扱い等も重大な検討事項であるが、まだ具体的な協議には入っていない。残された期間は10年ほど。もはや猶予はなくなってきており、急ぎ協議の場を設けていかなければならない。

北海道新幹線が札幌開業を迎えると、最大限の目標を達成できたとして東京―札幌間4時間半。「4時間の壁」があるとすれば、単純にはその壁を破れないことになる。しかし、そこで期待され、すでにキャラバン等で誘客の取り組みが展開されているのが、東京圏北部のさいたま市(大宮)はじめ、北関東や南東北エリアである。

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