4時間切りで新時代突入、「北海道新幹線」の課題 札幌延伸時は「大宮」の重要性が増す?

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大宮の地の利は非常によく、単に周辺だけでなく埼京線や湘南新宿ラインで新宿や池袋から30分、武蔵野線等を使って東京西郊の多摩地区からも集客される。新幹線での東京―大宮間所要時間は現行23分程度で、近い将来、設備改良による速度向上で1分程度の短縮が見込まれるが、そう大きな変化はない。すると大宮―札幌間は4時間強といった線が導き出される。

飛行機利用の場合、大宮駅から羽田へ最速でも70分程度、それから新千歳へ飛んで札幌へ入ると、やはりトータルで4時間程度となる。主たる乗り物に乗っている時間が短いほうを好むか、乗り換えの少ないほうを好むかの志向によるが、拮抗した競争になるだろう。

『鉄道ジャーナル』2019年7月号(5月21日発売)。特集は「4時間の壁」(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

2018年6月と7月に計3日、初めて6時大宮始発、新函館北斗行き臨時列車の「はやぶさ101号」が運転された。定期運転の新函館北斗行き1号(東京6時32分、大宮6時58分)より1時間早い時間帯で、さらに二戸以北各駅停車の1号に対して主要駅のみ停車として北海道により早く入ることを明確に打ち出した。新函館北斗到着9時41分だから所要時間は3時間41分。

これがインターネット限定の「えきねっと」や「モバイルSuica」により50%割引(1万円前後)で販売されて大好評を博し、およそ7~8割の乗車率で青函トンネルを越えたと言う。これは大いなる試行であったはずだ。

「はやぶさ」の宇都宮停車は?

これに鑑みると、定期運転についても期待をかけたいところとなる。東京―大宮間はダイヤが過密なため新たな列車の挿入は困難だが、大宮始発ならば余地がある。また、かねて地元から要望が出されている「はやぶさ」の宇都宮停車についても、首都圏北部をターゲットに位置付ける大宮始発列車ならば応じられるのではないか。

札幌市の人口は約197万人で、福岡の158万や広島の120万を大きく上回る大都市である。10年先の札幌延伸時に現状のまま1時間1本ペースではないであろうから、まったく刷新されたダイヤを想像するのも興味深い。一方、そのような活況が感じられる列車ダイヤへと持ち込むためには、価格やサービスが変わり、最高級のグランクラスだけではなく豊かなサービスが築かれていてほしいものだ。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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