32歳「元専業主婦」の彼女がのめり込む書く現場

一時は編集長に、世界を旅しながら綴っていく

『灯台もと暮らし』の活動とは別に、個人のフリーライターの仕事を引き受けたり、「編集女子が私らしく生きるためのライティング作戦会議」と銘打って、連続イベントを開催したりもした。

「ウェブライティング作戦会議」「旅コンテンツ作戦会議」などテーマを毎月変えつつ回を重ねた結果、イベントに参加する人が増え、2015年3月からはオンラインサロン『編集女子』の運営をはじめた。

「そのあたりから、ありがたいことに「人生デザイン U-29」(NHK)などのドキュメント番組をはじめ、テレビ、ラジオなどに出演させていただく機会が増えました。

仕事としてはうまくいっていたのですが、忙しい日々を続けていたためメンタルと体の調子を崩してしまいました」

ずっとつらくて、涙が止まらなくなってしまった。円形脱毛症になり、生理も止まった。でも目の前には、仕事も取材もまだまだたくさんある。

「定例の合宿をしてたときにボロボロ泣いちゃったんです。そしたら、みんな『休んだほうがいいよ』って言ってくれました。なんとか10日くらいなら休めそうだったので、2015年末に1人でハワイに逃げました」

ハワイへ行くと海外への思いが再び募り…

本来新しい国に行くのが好きだったのだが、あまりに疲れすぎていたので、新婚旅行で訪れたため、すでに道などがわかるハワイを選んだ。夫が商社マンでマイルをたくさん貯めていたので、そのマイルで旅行ができるから、というのもあった。

「ハワイに行ったら、それでまた海外に出たいという気持ちがわいてきました。『世界一周したい!!』と思ったんですが、そこまでやるなら会社は辞めなければならないと思いました」

しかし、株式会社Waseiの社長は、

「伊佐さんが会社をやめなくてもいい道を探しませんか?」

評価が高い海外の写真(写真:伊佐知美)

と言ってくれた。

それまでもベトナム・ホイアン、シンガポール、タイの島などに旅行に行き、並行して仕事をしたことがあった。

「Wi-Fiさえ拾えればなんとか仕事になるという実感はありました。社長の言葉に甘えて、株式会社Waseiの身分のまま8カ月の旅に出ることにしました」

ただ行きっぱなしではなく3カ月に1回は仕事の都合で帰国することにした。まずは成田を出発して「クアラルンプール→インド→ロンドン→フィンランド→ヘルシンキ」というルートをたどる旅に出た。

出発前に新潮社から『移住女子』の執筆依頼が来た。そこで国内にいる間に、取材をしまくり、その写真と音源を持って旅に出た。写真と音源を元に、海外で記事を書き上げる算段だった。

次ページ後押ししてくれた夫
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