スカイマークはこうやって消耗戦から脱する 西久保社長が語る、航空業界で生き残る術(すべ)
新しい飛行機は新しい制服で
――想定している客層は?
(2008年の)リーマンショック以降、ビジネスマンの利用が増えている。特に羽田―福岡線はビジネスマンの利用が非常に多い。そういうお客さんにも喜んでいただけると思う。
今回のA330導入は、われわれにとって新しい試み。リーズナブルな価格で、快適な広いシートをお客さんに提供する。それを皆さんに広く知ってもらうため、導入路線では客室乗務員が新しい制服を着用する。新しい飛行機は新しいユニフォームでという発想で、導入から半年間の期間限定とする予定だ。
――これまでスカイマークは大手より料金を安くするために、過剰なサービスを省いてきた。プレミアムシート導入は大幅な戦略変更に思えるが…。
戦略を変えたのではなく、1つのストーリーとして戦略を進めている。安さはお客さんに支持されるための重要な条件だが、安さが当たり前になれば、次はクオリティの改善が重要になる。
今回のプレミアムシートの導入は、当社が勝ち残るための1つの手段。お客さんが求めている“安い運賃”と“広くて快適なシート”をタイムリーに提供していく。
実は、このアイデアは5~6年前、当社がJAL(日本航空)、ANA(全日本空輸)と激しい運賃競争を繰り広げていた時に、「もし大手にこれをやられたら、うちは負ける」と恐れていたこと。大手が全席を広めのシートにして、そのうえで運賃を大幅に下げてきたら、スカイマークは生き残れないだろうなと思っていた。今回、それをわれわれが仕掛ける立場になった。
今の時点で見る限り、これだけの広いシートを、この値段で提供できるライバルは見当たらない。昨今のLCC(格安航空会社)との消耗戦から抜け出すためにも、LCCとはまったく違う商品でマーケットにアピールしていく。
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