リクシル、「取締役総入れ替え」でも深まる混迷 会社案と瀬戸案、株主はどちらを選ぶのか

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だが、その後の会見で瀬戸氏はすぐさま「これが取締役会で説明した資料だ」と提示し、「(潮田氏は)院政を敷く狙いがある」と反論を展開。今回の取締役候補案についても、瀬戸氏と事前のすりあわせがないなど、全般的にコミュニケーション不全が目立つ。

ある幹部は「潮田氏を止める人が誰もいない。これまでも周りが尻ぬぐいしてきた。だから、ああいうことを平気でやってしまう」と指摘する。

LIXILグループはこれまでも、2015年の中国子会社での不正経理発覚の際に十分な説明を行っていないという批判を集めた。こうしたコミュニケーション不全が問題を大きくしたのではなかったか。

同社のある元幹部は「説明が足りないというのならば、投資家が納得するように社外取締役を増やし、客観性や多様性を持った取締役会を作り、みんなが納得できるような仕組みを作るしかない」という。

利益率は2.5%と超低水準

LIXILグループが13日に開示した2020年3月期の業績見通しは売上高1兆8500億円(前期比0.9%増)、事業利益は470億円(同267%増)。ペルマ社の減損が一巡したことで急激な回復を見込むものの、売上高利益率は2.5%と超低水準だ。

同時に公表した2024年3月期を最終年度とした中期経営計画では売上高2兆円。事業利益1250億円と大幅な飛躍を見込むが、その詳細についても開示はない。

混乱だけが色濃く見える同社の先行きはどうなるのか。株主は取り残されたままだ。

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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