リクシル、「取締役総入れ替え」でも深まる混迷 会社案と瀬戸案、株主はどちらを選ぶのか

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今回、会社側が新任の取締役候補として提示したのは、瀬戸氏とともに株主提案を行った伊奈啓一郎氏や川本隆一氏ら3人を除く9人が交代をする内容。

「取締役メンバーを一新することが経営正常化に向けた最善策」と話す指名委員会の菊地義信取締役(記者撮影)

新たな候補者として、社内からは旧トステム出身で事業会社リクシルの社長を務める大坪一彦氏を選んだ。残り7人は元リコー社長の三浦善司氏、JVCケンウッド元会長の河原春郎氏、ベネッセHDの福原賢一・副会長らのほか、瀬戸氏が提案した取締役候補者のうち、元最高裁判事の鬼丸かおる氏、公認会計士の鈴木輝夫氏を取り込んだ

13日に会見した指名委員会のメンバーである菊地義信・取締役は、現在の経営の混乱から脱却するために「現任取締役を刷新し、取締役メンバーを一新することが経営正常化に向けた最善策だという結論に至った」と説明した。

取締役の人数は8人に減らす

経営の混乱を招いた反省を踏まえ、取締役体制も見直す。取締役の人数を現状の12人から8人程度へ減らし、独立社外取締役を過半数以上に増員。さらに創業家の出身者や特定の分野を担当しない社内取締役も削減するという。

そして、新任取締役候補には大規模な上場企業や製造業で経営の経験があること、海外M&Aや子会社の管理、財務会計や内部統制の知見・経験があることを資質として求め、「人材斡旋会社に紹介の依頼をした」(菊地氏)。

一方で、瀬戸氏らが提案した8人の取締役候補については、「瀬戸氏は業績不振の責任やガバナンスへの理解が不足している」「伊奈氏と川本氏は経営の混乱を助長した」「社外取締役候補の2人については独立性の基準で問題がある」などとして、いずれも会社提案の取締役候補とすることを見送ったと説明した。

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