叡山電鉄「ひえい」、奇抜デザインの裏に気配り

「楕円」がインパクト、落ち着いたインテリア

「ひえい」をデザインしたのは、京阪電鉄のリニューアルも手がけたGKデザイングループだ。GKデザインは富山ライトレールTLR0600形やゆりかもめ7300系、JR東日本のE259系(成田エクスプレス)など多くの鉄道車両のデザインを手がけている。以前の記事(2017年11月7日付 「宇都宮LRTのシンボルカラーが『黄色』のワケ」)では2022年開業予定の宇都宮ライトレールに関わっていることを紹介した。

日本の鉄道車両デザインで名前が挙がるデザイナーとしては、水戸岡鋭治氏や奥山清行氏などが思い浮かぶが、子どもにも親しまれる遊び心を感じる水戸岡氏、元フェラーリのデザイナーらしい情熱が伝わってくる奥山氏と比べると、GKデザインはシンプルでクールな作品が多い。

「ひえい」の全体像を改めて見ると側面は落ち着いたデザインだと言える(編集部撮影)

他国で言えば北欧やドイツのデザインに近いと感じている。とくに公共交通においては、都市や地方の景観の一部となり、多くの人が利用することへの配慮を感じる。

それだけに、「ひえい」は最初、既存のGKデザインから一歩踏み出したように感じられたが、造形面ではシンプルで、側面や車内は色使いも落ち着いており、これまでの同社の作品と共通していると思うようになった。

次々と車両をリニューアル

ところで叡山電鉄700系のリニューアルは、「ひえい」に限った話ではない。

今年3月に営業運転を開始したリニューアル車両「722号車」(筆者撮影)
700系の原型車両(710形)。「ひえい」や722号車も同様の車体だった(編集部撮影)

同じデオ730形の731号車は、2015年に叡山本線開業90周年を記念して、同線開業当時のデナ1型をイメージした「ノスタルジック731」に仕立てられた。そして、「ひえい」が走り始めたちょうど1年後の今年3月21日は、デオ720形722号車のリニューアル工事が完了し、営業運転を始めている。

筆者は先日京都を訪れた際に、「ひえい」だけでなくこの722号車にも乗った。車体は沿線の神社仏閣をイメージした朱色で、「ひえい」とは違う意味で目立つ。座席は「ひえい」ほどではないが、一人ひとりの着席スペースを明確にしたセミバケットシートを採用し、照明には「ひえい」に続いてLEDを採用。車内表示もモダンに仕立直されていた。

次ページ派手な色を使いながらも京都らしい姿
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