ベンツ新型「CLA」乗ってわかった意外な実力 ドイツの試乗会で感じた先代CLAとの違いは

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思わずデザインの話から始めてしまったが、新型CLAはその走りの出来栄えでもうならせた。プラットフォームはAクラスと共通だが、広い全幅に合わせてサスペンションはワイドトレッド化され、アンチロールバーも強化することで、開発陣曰くロール剛性の高いスポーティーな走りを実現したという。これには、先代にはなかったAクラスセダンが後にラインナップに加わることから、キャラクターをはっきりと差別化しておくという意味もあるのだろう。

新型CLAの後ろ姿(写真:Mercedes-Benz)

実際、フットワークは軽快でワインディングロードでも気持ちよく走ることができた。しかしながら実はそれ以上に感心させられたのは快適性の方である。

サスペンションの動きが実にしなやかで、ギャップやうねりも包み込むようにいなしてしまう懐深い乗り心地は、思わず「Cクラスより上質かもしれない」と思えたほど。前席だけでなく後席もフラットで質の高い乗り味を実現していたから、拡大された空間と相まって「遂に本物のメルセデス・ベンツになった」という印象を得た。

ただし、試乗車はオプションのアクティブ・アダプティブダンピングシステム、要は電子制御式減衰力可変ダンパーが装着されていた。今のところ日本仕様にはこの設定の予定はないというが、メルセデス・ベンツ日本はすぐさま追加の検討を始めたほうがいいだろう。

日本導入は2019年末の予定

登場したときには、メルセデス・ベンツのラインナップの中でもニッチな存在と映ったCLAだが、冒頭に記したようにふたを開けてみれば、若いユーザーを取り込み、またライバル車からユーザーを奪う非常に重要なモデルとなった。おそらく、それはメルセデス・ベンツ自身にとっても予想外のことだったに違いない。

単に成功に甘えるのではなく、その要因をしっかり分析し、長所を伸ばし短所をきれいに潰してきた新型CLAには、どこにも死角などなさそうというのが、試乗を終えての正直な実感である。2019年末の導入を目指しているという日本市場では、まずは直列4気筒2・ガソリンターボエンジンを積む4WDのCLA250 4MATICが用意され、そのあと新開発の2.0・ディーゼルターボエンジンを積むCLA200d、1.4・ガソリンターボのCLA180といったモデルが続く模様だ。

島下 泰久 モータージャーナリスト

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しました・やすひさ / Yasuhisa Shimashita

1972年生まれ。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。走行性能からブランド論まで守備範囲は広い。著書に『間違いだらけのクルマ選び』(草思社)。

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