ベンツ新型「CLA」乗ってわかった意外な実力 ドイツの試乗会で感じた先代CLAとの違いは

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そんなCLAの2世代目となる新型は、もちろん支持されたポイントをしっかりと押さえたうえで、ハードウェアとして大きな進化を果たしての登場となった。「売れていたのだから、そこそこでいいか」なんて考えは、今のメルセデス・ベンツにはないようである。

まず目を引くのは肝心要の外装デザインだ。新型はフォルムががぜん伸びやかになり、誰が見ても美しいと感じられそうなものになった。それを実現したのはボディのサイズアップで、全長が48mm、全幅は53mm拡大される一方、全高は2mm下げられている。ノーズ前端の高さも約50mm下がったということで、つまりより長く、低く、ワイドになったわけだ。

台形のラジエーターグリルと、そこへの連続性を感じさせるシャープな目つきのヘッドライトを組み合わせたフロントマスクは、新型Aクラスなどとも共通のイメージである。キャラクターラインを極力排して、移ろう面に反射する光の陰影で魅せるボディワークも含めて、メルセデス・ベンツの最新のデザイン哲学が反映されている。

ちなみに53mmの拡大により全幅は1830mmに達した。これは実はCクラスの1810mmよりも大きい。同様に全長も、たった2mmではあるが、やはりCクラスを上回る。

サイズアップで室内空間も拡大

筆者としては、このCクラスが大きくなりすぎたがゆえに、扱いやすいサイズの4ドアを求めるニーズも先代CLAの販売を支えていたのではと考え、このサイズアップを心配したのだが、メルセデス・ベンツ日本のPRパーソンに聞くと、Cクラスと比較して購入したというユーザーは実際にはほとんどいなかったという。CLAはそれより何より、とにかくカッコよさなのだ。

サイズアップは室内空間の拡大にもつながっている。冒頭に書いたとおり、先代の後席は身長177cmの筆者ではルーフに頭がつっかえて、きちんとした姿勢で座っていることができなかった。新型は全高こそ低くなったが、全長が伸びて室内の前後長にも余裕ができ、シートやルーフラインの角度も変わったのだろう。とくに苦もなく座れるようになっている。前席含め、左右方向の余裕も増していて、空間的にも4ドア車への期待にまずまず応えるものになった。

新型CLAの運転席の様子(写真:Mercedes-Benz)

しかも、その室内には最新のMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)が採用されている。12.3インチTFTディスプレイを2枚並べたワイドスクリーンコックピットは、表示を自分好みにカスタマイズできる。中央側画面はタッチパネルになっており、スマホ感覚での操作が可能だ。

もちろん、日本仕様では「ハイ、メルセデス」の呼びかけで起動する、AIにより自然発話を解する音声認識機能も搭載している。新型では以前より複雑な文節を解するようになり、運転席からと助手席からの発話を聞き分けて対応するなど、その機能はさらに進化を遂げた。

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