お金持ちだけが集う「VIP会員クラブ」のリアル 日本で全然足りない「最上級サービス」とは?

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例えば、タイミングよく入場制限をして混み合わないようにしたり、ホテルのウェルカムドリンクのようなおいしいドリンクを出してくれたり、子どもを教室で預かってくれたりします。

その間に大人はレストランのようなおいしい食事を楽しんだりできるなど、至れり尽くせりです。室内の遊び場にも加湿器が備え付けられ、ウェットティッシュもオーガニック製! 本当に、細部までこだわり抜かれています。朝から夕方まで滞在でき、ホテルのようなおもてなしなので、子連れでもまったくストレスを感じさせないのです。

出入り口には運営企業の子ども向けのおもちゃや洋服が飾ってある(デンマークから取り寄せたという木馬のようなおもちゃは約2万円)ので、そこを通るたびに商品を見せられるという、サブリミナル効果もあるようでした。日本に帰るとホテルのレストランでも子連れだと気を使うのですが、こうした場所があると自然とお金を落としてしまいそうです。

ステータスもネットワークもお金で買える

こうした富裕層メンバーシップは一般に登録料と月会費あるいは年会費からなり、食事などの飲食をすると、カード払いや口座引き落としなどで別途支払います。会員になるメリットとしては、レストラン(一般の飲食店よりも値段に対する価値が高い場合も多い)やスポーツ施設などの設備やプログラムが受けられる、などです。

メンバーシップを持っている友達についていけば、一般の非会員も施設を利用することができます。またほかの国でも展開をしているメンバーシップは、旅行でその国を訪れた際に利用できる場合があります。私もシンガポールでメンバーになって、香港で系列施設を利用したことがあります。

施設のイベントなどで会員同士が交流できるメリットもあります。富裕層や著名人も訪れるクラブもあり、私は顔見知りになって親しくなることができ、一緒に仕事をする機会にも恵まれました。つまり、お金である程度のステータスやネットワークを買うこともできるのです。

メンバーシップは中古市場で売りに出される場合もあります。それほど人気のないメンバーシップの売却価格はどんどん落ちていくものの、伝統的で格式の高いメンバーシップは高額です。また、資格を得るためにウェイティングになることもあります。

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