ドル円、米の対中追加関税発動でも下げ渋り

現在のところ急激なドル安円高は進まず

 5月10日、午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の109円後半。午後1時1分に発動された米国の対中追加関税を経て109円後半で軟化したものの、中国が直ちに報復措置を講じなかったこと、中国株が堅調に推移したこと、きょうの継続協議への期待感などから、下げ渋った。写真は2016年1月撮影(2019年 ロイター/Jason Lee)

[東京 10日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の109円後半。午後1時1分に発動された米国の対中追加関税を経て109円後半で軟化したものの、中国が直ちに報復措置を講じなかったこと、中国株が堅調に推移したこと、きょうの継続協議への期待感などから、下げ渋った。

米政府は米東部時間10日午前0時1分(日本時間同午後1時1分)に、中国からの2000億ドル相当の輸入品に対する関税を10%から25%に引き上げた。

同発表を受けて、ドルは109.80円中心に上下10銭程度動いたあと、一時109.62円まで下値を伸ばしたが、9日の安値109.47円には達しなかった。

もっとも、これから欧州勢、米国勢が為替市場に参入してくると「欧米の株価動向次第で、昨日つけた安値を攻略する動きが出てくるかもしれない」(外為アナリスト)といい、下値警戒感は依然根強い。

中国商務省は、米国が中国製品に対する関税を引き上げたことは「非常に遺憾だ」とする声明を発表し、対抗措置を講じる考えを示した。対抗措置の詳細は明らかにしなかった。

FXプライムbyGMOの常務取締役、上田眞理人氏は「追加関税自体は想定内だったが、協議が長期戦に持ち込まれたこと、日本の対米貿易黒字に対してもいずれ米国が強硬的な態度に出る可能性があることなどから、リスク回避の円高という方向に振れている」と述べた。

通商協議からマクロ経済に視線を移せば、これまでのドル高トレンドをけん引してきた「相対的に強い米経済と利上げサイクル」という重要な車輪は既に失われていると同氏は指摘。6月末までを見渡せば、ドルの反発余地は110円後半にとどまる一方で下値余地は108円程度まであるとみている。

上海外為市場のスポット人民元<CNY=CFXS>は1ドル=6.8045元付近。

朝方の取引では一時6.7940元付近まで強含んでいたが、現地時間午前11時ごろに6.8200元付近まで下落した。

ロイター為替予測調査によると、米中通商交渉の予想外の悪化を受け、中国人民元に対するアナリストの見方が弱気に転じ、人民元の売り持ち規模は、昨年12月半ば以来で最大となった。  

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 109.73/75 1.1227/31 123.21/25

午前9時現在 109.81/83 1.1216/20 123.20/24

NY午後5時 109.75/77 1.1220/25 123.07/11

 

(為替マーケットチーム)

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