iPhoneを「あのルーペ」のように使う方法がある 「アクセシビリティ」を使っていない人は損だ

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また、一時的に画面の向きを固定化することもできる。iPhoneの場合、画面の自動回転はオンか縦固定のみしかできないが、アクセスガイドであれば、横の状態で固定できる。SafariでPC用のサイトを寝ころびながら見ているようなときは、横位置で固定してしまうと頻繁に画面が回転しないため、わずらわしさから解放される。

この機能を利用する方法は次のとおり。まず、「設定」の「一般」にある「アクセシビリティ」で「アクセスガイド」を選択し、「アクセスガイド」をオンにする。アクセスガイド用のパスコードもここで設定できる。次に、制限をかけたいアプリを開いた後、ホームボタンもしくはサイドボタン(iPhone X系の場合)をトリプルクリックすると、アクセスガイドが起動する。

アクセスガイドが起動したら、画面左下に表示された「オプション」をタップする。ここで無効にしたものが、利用できなくなる仕組みだ。無効にできる項目は、「ホームボタン(サイドボタン)」「ボリュームボタン」「動作」「キーボード」「タッチ」「辞書検索」「時間制限」の7種類。YouTubeを子どもに見せたいようなときは、音量を設定したあと、すべてを無効にしておくといいだろう。画面上の一部だけ、操作を無効にする設定にも対応する。

設定が終わったら、画面右上にある「開始」をタップすると、アクセスガイドが有効になる。終了させたいときは、ホームボタン(サイドボタン)を再びトリプルクリックした後、パスコードを入力すればよい。Face IDやTouch IDも利用できるが、この場合はダブルクリックで終了させる。

いったん設定すると、トリプルクリックだけで、すぐに設定した状態でアクセスガイドが有効になる。iPhoneを他人に渡すことが多いという人は、使いこなせるようにしておきたい。

3.iPhoneのカメラをルーペ代わりに使える「拡大鏡」

紙に印刷された小さな文字を読むときに便利なルーペだが、つねに持ち歩くのは少々面倒。そんなときは、iPhoneのカメラが役に立つ。とはいえ、通常のカメラアプリを起動すると、拡大縮小のためにピンチイン・ピンチアウトをしなければならず、片手では使いづらい。片方の手でiPhoneの本体を支え、もう一方の手でピンチインなり、ピンチアウトなりをしなければならないからだ。

カメラを使って目の前のものを拡大表示する「拡大鏡」(編集部撮影)

そんなシーンで役立つのが、アクセシビリティの中にある「拡大鏡」の機能だ。この拡大鏡は、ホームボタン(サイドボタン)のトリプルクリックで起動できるため、カメラアプリのアイコンをタップするよりスムーズに呼び出せる。しかも、あらかじめ、画面下部にズームのためのバーが表示されているため、片手での操作も簡単にできる。まさに拡大鏡として使えるユーザーインターフェースになっているというわけだ。

また、拡大鏡は、フラッシュをライトのように使えるため、暗い場所でも利用できる。ライトを使いたいときは、画面左下に表示されているフラッシュのマークをタップすればよい。右下にある設定用のボタンをタップすると、明るさやコントラストを変更したりといったことも可能となる。

端末を固定したままだと腕が疲れてしまうが、iPhoneの拡大鏡は写真も撮ることが可能だ。これは、一般的なルーペにはない、iPhoneならではの機能といえるだろう。ここで撮った写真は拡大鏡に一時的に保存されるだけで、通常のカメラのように本体に保存されるわけではないため、頻繁に使っても、後から不要な写真を消す必要がない。まさにルーペ代わりに使える機能といえるだろう。

拡大鏡は、標準だとオフになっているため、アクセシビリティでオンにしておく必要がある。先に挙げた他の機能と同様、「設定」アプリの「一般」から「アクセシビリティ」を開き、「拡大鏡」をタップして、「拡大鏡」のスイッチをオンにすればよい。

CMで話題になった“あの”ルーペほどの耐久性はないかもしれないが、iPhoneさえあればすぐに使うことができ、デジタルならではの機能性も備わっている。きっと、「iPhoneの拡大鏡、だぁ~いすき」と思えるはずだ。

石野 純也 ケータイジャーナリスト

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いしの じゅんや / Junya Ishino

大学卒業後、出版社の宝島社に入社。IT関連の雑誌、書籍を編集する部署で、数々のケータイ関連誌を立ち上げる。独立後は、ジャーナリスト/ライターとして、モバイルに関連した幅広い企業を取材。ウェブサイトや雑誌を中心に、執筆活動を行う。ネットワークから端末、コンテンツまで、モバイルに関する全レイヤーをカバーする。主な著書は『ケータイチルドレン』(ソフトバンク)、『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ)。iPhone、スマートフォン関連の解説書なども、多数手掛けている。

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