キヤノン御手洗氏「ドルは120円に近づく」 円安で国内生産比率50%へ

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――コストダウンの手段として、工場の自動化を進めているが、進捗はどうか。

「人間がやってきた工程を機械に変えているが、この部分の設備投資は継続して行っていく。宇都宮のレンズ工場の自動化は基本的な部分が立ち上がった。1―2割の生産は自動化で行っているが、今年中に半分以上になるだろう」

「大分と長崎のカメラ工場、茨城県取手市の事務機工場など、他でも、少しずつ工程の一部を人間から機械ができるように変えていく。そうした取り組みを積み上げてコストダウンを進め、14年は売上総利益率を1%伸ばして49%を目指していく」

――オランダで計画するトナーカートリッジの自動化工場の立ち上がりはどうか。

「土地を買収しているが、まだ建設は始めていない。欧州の景気が悪いので建設開始を延ばしている。来年の終わり頃には着工したい」

――新規事業で期待できるのは何か。

「監視カメラ事業は、年率20%の業界の伸びに乗りたい。今はカメラしか売っていないが、システムで売るためにソフトを開発している。この開発に時間がかかるので1000億円の事業規模になるのは16年か17年頃になるだろう」

「今期は半導体露光装置と液晶露光装置の新機種を投入する。半導体と液晶業界も今年は回復するので大きく期待している。露光装置事業は今年は確実に黒字化するだろう」

――2014年12月期の方針は。

「集計中だが、昨年度は増収で利益は横ばいで着地しそうだ。11年、12年と減収減益だったので13年は底。今年は成長軌道へ回帰する最初の年と位置付ける。社内計画を組むにあたっては最低5%以上の増収増益を掲げているが、円安も進むと思うのでおそらくはそれ以上は行くと思う」

「来年以降もさらに伸びるが、07年に記録した過去最高益(営業利益7566億円、当期利益4883億円)の更新は16年か17年になる。15年は無理だろう」

(村井令二、ソフィー・ナイト 編集:内田慎一)

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