「闇金ウシジマくん」作者が見た平成格差社会 テレクラ、情報商材を通して見えたもの

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人の葛藤を描くにはお金を介在させるとわかりやすい。お金って大事なものであるし、苦しみの原因にもなる。しかも丑嶋は対面でお金を貸して取り立てをする。そのような理由で物語の完結までヤミ金のまま通した。もちろんマンガなのでファンタジー的な要素はある。

丑嶋(イラスト中央)のモットーは、「世の中は奪い合い。奪(と)るか奪られるかなら、俺は奪るほうを選ぶ!」(©真鍋昌平/小学館)

――ヤミ金にもう新しい人は参入していないのでしょうか。

「カウカウファイナンス」の従業員が話の中心となる「逃亡者くん」編で沖縄の取材をしたが、沖縄では若い人たちがヤミ金をやっていた。割合に儲かっていて、年3000万円くらいの利益を上げている人もいた。稼いだお金を保管しておく金庫は、簡単に盗まれないように分厚い鉄板と溶接しているそうだ。

東京とかだと、(ヤミ金ではなく)仕事を変えて仮想通貨などをやっている人が多いのでは。仮想通貨といっても詐欺っぽいもの。1カ月で6億円くらい稼いだという人もいた。

何かになりたいなら、リスクをとるしかない

――彼らは姿を変えて時流にうまく乗っています。一方、カテゴライズされてしまった普通の人たちはどうすればいいのでしょう? 丑嶋ならどう言いますかね。

うーん、難しい。何かになりたいのならリスクをとるしかないのでは。何もなかったところから上に行った人たちはそうしている。安定したもの、それまでに培ったものを捨てて飛び出せるかどうか。

自分の場合は、うまくいかなくてもいいので本当にやりたいことをやりたいと思ってマンガを始めた。周囲から自分の仕事ぶりを見ると、かわいそうな人だと思うかもしれない。取材で知り合った人たちに夜呼び出されて朝まで飲んで、それでも帰ったらマンガをすぐ描き始めるということがしょっちゅう。マンガを描くのが好きでなかったら苦痛でしかない。

――情報商材屋は人々の共感を得るために自身の苦労と成功を決まったように語ります。真鍋さんの話がそのようにも聞こえてしまいました……。

あの人たちはドラマが必要ですからね。俺も次のマンガが失敗したら情報商材屋になっているかも(笑)。

緒方 欽一 東洋経済 記者

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おがた きんいち / Kinichi Ogata

「東洋経済ニュース編集部」の編集者兼記者。消費者金融業界の業界紙、『週刊エコノミスト』編集部を経て現職。「危ない金融商品」や「危うい投資」といったテーマを継続的に取材。好物はお好み焼きと丸ぼうろとなし。

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