また、運転席と後席を仕切るパーティションもロイヤルラウンジの木材骨格に対してLMは金属骨格を採用。これに伴いカーテンシールドエアバッグは前後分割式となっている。パーティションのガラスは昇降のみならず調光機能も。ここには26インチ(ロイヤルラウンジは24インチ)のモニターや冷蔵も内蔵される。ちなみにオーディオもこだわっておりマークレビンソンの19スピーカー仕様(アルファード/ヴェルファイアは11スピーカーのJBL製)が搭載される。静粛性も非常に高くLSに勝るとも劣らないそうだ。
走りも本体部分は金属骨格のパーティションによるボディ剛性向上に加えて、ESで採用され評価の高いスウィングバルブ式のショックアブソーバーの採用により、走行性能/乗り心地ともにアルファード/ヴェルファイアに対してのアドバンテージがあるうえに、レクサス専用チューニングによって、「すっきりと奥深い走り」に仕上げられているそうだ。パワートレインは仕向け地に合わせて直4-2.5Lガソリン+モーターのハイブリッドとV6-3.5Lガソリンの2タイプをラインナップする。
日本のミニバン文化が与えた影響
ちなみに筆者は先日、大幅改良されたメルセデス・ベンツVクラスの海外試乗会に参加したが、華がプラスされたエクステリアやSクラス譲りの「ラグジュアリーシート」を採用したインテリア、ハンドリング/快適性のバランスと静粛性を引き上げた走り、充実した予防安全技術など、従来の商用車の延長線上から乗用車の一族への進化を感じた。
そのような印象を開発陣へ伝えると、「新型を開発する際に『トヨタ』を強く意識したのと、現地法人(日本/アジア)からのフィードバックを反映している」と。日本のミニバン文化が、あのメルセデスを動かしたということに正直ビックリした。
さらにVクラスの試乗会のタイミングで、「レクサスがLMを上海モーターショーでお披露目します」というリリースが出ていたので、その情報を開発陣に伝えると、「それは知らなかった! もっと研究する必要がありますね」と話していた。
LMは2020年前半に中国/東南アジアで発売する。生産は「メイド・イン・ジャパン」にこだわりすべて日本(トヨタ車体)で行われるそうだ。残念ながら日本への導入は現時点では計画されていないが、タイ/インドネシアは右ハンドル仕様が用意されるので、技術的には難しくないはず。
個人的には新時代のショーファードリブン(運転手付きで後席に座るクルマ)としてLMが存在すれば、ドライバーズカーとして大きく変わったLSの価値が再確認される気がするのだが……。これもある意味「レクサスチャレンジ」の1つかもしれない。
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