東大生の「ノートのとり方」が本質的で凄すぎた 300冊を調査した東大生が証言する3つのコツ

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これは、「線を引く」という行為とは似て非なるものだと思います。

「一言でまとめる」と「線を引く」というのは、「重要な部分を見つけ、確認する」という意味では同質のものですが、「線を引く」というのはあくまで「相手の説明」に色を付けるという行為でしかありません。対して「一言でまとめる」というのは「自分の頭で考えて」まとめなおすという行為です。

みなさんも経験があるかもしれませんが、人に何かを説明するとき、借り物の言葉や誰かの説明を完全にコピーして話すというのは非常に困難です。なぜならそれはしょせん「誰かの言葉」であって「自分の言葉」ではないからです。

自分の中でかみ砕けていないことは、絶対にアウトプットできません。必要なのは、自分の頭でまとめ直し、納得すること。これが授業の「再現性」を高めてくれるのです。

ちなみに東京大学という大学は「言い換え」の能力を非常に重視している大学です。日本史や世界史、生物や物理などの科目では、長い文章や資料が与えられ、「その文章や資料はどういうことを言っているのですか? 短くまとめ直しなさい」という問題が多数出題されています。問題によっては、背景となる知識がほとんどなくてもその文章がきちんと読解できさえすれば点数がとれる問題も出ているくらいです。

・ノートやメモに、「要するにどういうこと?」を書くスペースを作る
・文章の横に「一言でまとめるとどうなるか?」を自分の言葉でメモしてみる

これが1つ目のテクニック「言い換え」です。

「原因と結果」までしっかりまとめよう

テクニック2:ロジックを残す

2つ目は「ロジックを残す」というものです。

東大生は、「どうしてそうなるのか?」「なぜそうなったのか?」を整理してノートを書きます。因果関係を明示し、どういうロジックでそうなるのかをしっかり記述するのです。

例えば普通、先生が「1877年にイギリス女王がインド帝国皇帝に就任した」と言ったら、そのままそれをノートに書いて、「じゃあ、1877年にイギリス女王がインド帝国皇帝に就任って覚えないと!」と考えると思います。

しかし東大生は、「なぜ1877年にその出来事が起こったのか?」「その出来事の結果、何が起こったのか?」という因果関係を調べて、その情報も合わせてメモします。

情報を「そういうものだ」と受け入れてノートを書くのではなく、「どうしてそれが起こったのか?」「その結果どうなったのか?」というロジックをノートにまとめる癖がついているのです。

ここにも、「再現」という要素が見られると思います。さまざまな知識を吸収したいとき、単独で暗記するよりも複数の情報をひとかたまりで覚えたほうがいいですよね?

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