「2階建て」新幹線E4系、引退後の輸送力は十分か 朝ラッシュ時の東京方面についてデータ検証

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これら全員が新幹線を利用しているのではない。しかし、2015年の時点でJR東日本が新幹線通勤列車として9157人分もの輸送力を用意していた点から推測すると、結構な割合で乗っていたのであろう。

一方で、上越新幹線の沿線から東京都への通勤・通学者数は増えているにもかかわらず、新幹線通勤列車の輸送力は2013年度から2018年度まではほぼ同じで、先日実施された2019年3月16日のダイヤ改正で9158人から8458人へと683人も削減された。

新幹線通勤列車の輸送力の減少は7時台の高崎駅で起きている。ダイヤ改正前までは16両編成のE4系で運転されていた高崎駅7時38分発、東京駅8時40分着の「Maxたにがわ402号」が運転時刻はそのままに車両をE7系の12両編成に変更し、「たにがわ402号」へと改められたからだ。10両連結されているE7系の普通車の定員は843人で、上越新幹線で使用されるE4系以外の車両では最も大きな輸送力を備えてはいる。とはいえ、16両編成で1526人という普通車の定員と比較すれば大きな差が生じているのはやむをえないことだ。

この春に変更された「たにがわ402号」の輸送力が足りているのかは現段階では何とも言えない。本稿を執筆している2019年4月中旬の段階で混雑しているといっても新年度特有の現象かもしれず、見た目だけでは判断できないからだ。JR東日本は輸送需要に合わせて過不足なく車両を用意する術に長けている。したがってE7系で大丈夫だと考えてよさそうだ。

さて、2021年春までに車両の置き換えが必要な新幹線通勤列車は「Maxたにがわ400号」「Maxたにがわ472号」「Maxとき・Maxたにがわ300号」「Maxたにがわ474号」と4本が存在していることがわかる。先ほどの「たにがわ402号」のようにE7系へと置き換えてよいのかどうかは、年間を通した輸送需要や今後の予測といったJR東日本しか知り得ない判断材料しかないので何とも言えない。そこで、それぞれの列車について、現状と輸送需要が同じ場合での車両の置き換え方法を予測してみよう。

Maxたにがわ400号、Maxたにがわ472号

両列車とも車両の置き換えによって生じる輸送力の不足は列車の増発で対処できる。東京駅の到着時刻を基準に考えてみよう。

7時36分着の「Maxたにがわ400号」の前後は7時32分着の「なすの256号」(那須塩原6時23分始発)、7時40分着の「あさま600号」(高崎6時50分発)と4分間隔で列車が連なっている。「なすの256号」の前は7時24分着の回送列車まで8分あいているから、7時28分着となる「たにがわ」を増発するのがよいかもしれない。

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