「2階建て」新幹線E4系、引退後の輸送力は十分か 朝ラッシュ時の東京方面についてデータ検証
新幹線は商用や観光での利用のほか、通勤・通学にも利用されている。とくに輸送需要が大きい路線、区間は東海道新幹線の三島駅から東京駅までの間、東北新幹線の那須塩原駅から東京駅までの間、上越新幹線の高崎駅から東北新幹線に乗り入れて東京駅までの間だ。
三島、那須塩原、高崎の3駅の出発時刻を基準とすると、朝6時台から8時台にかけて普通車をすべて自由席とした列車(便宜上、新幹線通勤列車と呼ぶ。以下同)が多数設定されている。土曜日を除く平日に運転されている新幹線通勤列車の本数、そしてこれら各列車に連結される普通車自由席の定員の合計を2019年3月16日現在で順に挙げておこう。
三島駅→東京駅では「こだま」が10本で1万1230人、那須塩原駅→東京駅では「なすの」が8本で7115人、高崎駅→東京駅では「Maxとき」と「Maxたにがわ」との併結が1本、「Maxたにがわ」が3本、「たにがわ」が3本の7本で8475人となっている。
新幹線の通勤輸送力は大きい
比較する時間の長さは異なるものの、東京急行電鉄池上線では朝の最混雑1時間に大崎広小路駅から五反田駅までの間に3両編成の列車が22本運転されており、定員は合わせて8096人であった(2012年度)。新幹線は在来線の行き詰まりを解決するために建設されただけに、非常に大きな輸送力を備えていることがわかるであろう。
さて、いま挙げた区間のうち、注目したいのは高崎駅から東京駅までの間だ。列車の運転を担うJR東日本は、すべての車両を2階建てとしたE4系新幹線電車を新幹線通勤列車の主力として投入している。8両編成を組むE4系の定員は普通車が763人、グリーン車が54人で合わせて817人。2編成を連結した16両編成で運転した場合は普通車が1526人、グリーン車が108人の計1634人だ。
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