「2階建て」新幹線E4系、引退後の輸送力は十分か

朝ラッシュ時の東京方面についてデータ検証

一方、7時52分着の「Maxたにがわ472号」の前には7時44分着の「なすの258号」(那須塩原6時55分始発)まで8分開いているので、7時48分着の「たにがわ」を設定することとなろう。なお、毎日ではないものの、7時48分着の回送列車が設定されており、折り返し8時00分発の「やまびこ175号」仙台行きまたは8時00分発の「Maxたにがわ79号」ガーラ湯沢行きとなる。両列車とも土曜・休日の運転であるので、「たにがわ」は月曜日から金曜日までの運転とすればよい。

E4系を置き換えるに当たっては先ほど紹介したE7系が筆頭の候補だ。JR東日本は2019年3月16日のダイヤ改正から上越新幹線にE7系の投入を始めており、現在用いられているE4系はもちろん、10両編成のE2系も置き換えられる予定となっている。

そのE7系を用いた列車を2本運転したときの普通車の定員は1686人だ。現状の1526人と比べて輸送力は160人分向上するのだが、はたして必要であろうか。

考え方は2つあり、1つは無駄を承知で運転するか、または一部の普通車を締め切りとして営業に使用しないというものだ。もう1つは廃車までのつなぎながら、E2系を集中的に充当するというもの。10両編成のE2系の普通車の定員は764人であるから、2本運転すると輸送力は1528人とほぼ等しい。これは偶然ではなく、E2系2列車分の輸送力をE4系1列車でまかなえるように設計されたからだ。

Maxとき・Maxたにがわ300号、Maxたにがわ474号

 JR東日本がE4系を置き換えるに当たって頭を抱えているであろう列車が「Maxとき・Maxたにがわ300号」と「Maxたにがわ474号」との2本であろう。何しろ高崎駅を前者は7時15分発、後者は7時21分発とほぼ続行と言ってよい状況で運転されているからだ。ちなみに、6分間における3052人という普通車の輸送力はまさに強大と言ってよい。東海道新幹線では最短で2分間隔で列車を運転しているが、6分間に3本の列車は設定されていないので、全国一の輸送力だ。

話を戻すと、両列車が東京駅に到着する8時台は列車を増発する余地がほぼないと言ってよい。8時00分着の「あさま602号」(高崎駅7時02分発)から始まって8時56分着の「はやぶさ102号」(盛岡駅6時10分始発)まで15本の営業列車が土曜日を除く平日に3分または4分間隔で運転されているからだ。

詳細は別の機会で述べるとして、1時間当たりの列車の本数を増やすには信号保安装置の改良に加え、現在4線敷設されている東京駅の着発線を増やす必要があり、現実的ではない。

となると車両で何とかするほかないであろう。上越新幹線以外にも範囲を広げ、JR東日本の新幹線で16両編成のE4系に次いで輸送力の大きな車両を探してみた。東北新幹線の「やまびこ」に使用される10両編成のE2系と山形新幹線の「つばさ」に使用される7両編成のE3系1000番台または2000番台とを併結した状態で、普通車の輸送力は1135人(E3系1000番台では1143人)である。

いま挙げた組み合わせは那須塩原駅始発の「なすの262・266号」にも用いられており、新幹線通勤列車として使用するには申し分ない。ただし、「なすの」の新幹線通勤列車に用いることができるのも、東京駅で折り返して「つばさ」として運転することが容易だからだ。上越新幹線に乗り入れていってしまうと、本来「つばさ」に使用する車両が足りなくなる可能性が高い。

次善の策として挙げたいのは、E2系にE3系の0番台の車両を連結した組み合わせだ。E3系の0番台は6両編成で普通車の定員が315人である。もともとこの車両は秋田新幹線の「こまち」に用いられていたが、E6系の投入によって退いた。一部は廃車となったものの、新幹線通勤列車など輸送力増強のために東北新幹線での営業が続けられており、「なすの268号」では10両編成のE5系と連結し、普通車の定員は973人だ。

E4系の置き換えに当たっては、10両編成のE2系と6両編成のE3系0番台とを連結するとよいであろう。この場合、普通車の定員は1079人で、1526人と比べると447人減ってしまうが、E7系に置き換えたときと比べれば236人多い。

以上が筆者の予測だが、はたして2021年春にはどうなっているのであろうか。

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