令和グッズの販売「違法」と「合法」の微妙な差 菅官房長官の掲げた「令和」の引用は違法か

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「元号」の商品化は、どこまでが法律で許容されるのだろうか?(写真:弁護士ドットコム)

お菓子にお酒、グラス、Tシャツ……新元号「令和」のグッズが続々と登場し、楽天などのショッピングサイトで検索すると、たくさんの商品が出てくる。

そんなグッズをめぐり、弁護士ドットコムに質問が寄せられている。それは、菅官房長官の元号発表時の文字をトレースしたアイテムが作られているが、問題ないのか、といったものだ。

「令和」グッズはどんなものでも自由に作っていいのか。菅官房長官が掲げた文字をそのまま使っていいのか。佐藤孝丞弁護士に聞いた。

「商標登録」は難しい

■まず、令和を商標登録することは可能なのか。

「元号のみでは商標登録できません。

商標登録がなされるためには、その商標に、自分の商品・サービスと他人の商品・サービスを区別するもの(識別力)が必要です。

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

そして、特許庁における審査においては、元号(現元号であるか否かを問いません)として認識されるにすぎない商標は、識別力がないとされるため、商標登録を受けることはできません(商標法3条1項6号)」

■「令和まんじゅう」のような商標登録も難しいのか。

「そのような、他の識別力のない文字等を組み合わせた商標(例えば、指定商品が『饅頭』である場合に、『元号+まんじゅう』とする商標)も、識別力はなく、商標登録を受けることはできません。

もっとも、このような商標であっても、例えば、ある特定の商品やサービスにおいて使用された結果、需要者が特定の者の業務に係る商品やサービスであると認識できるに至っている場合には、識別力があるものとなります。

したがって、そのようなケースでは、他の拒絶理由に該当しなければ、商標登録を受けることが可能となります。ケース・バイ・ケースと言ってもいいでしょう。

結局のところ、『令和』のみで商標登録されることがない以上、少なくとも、『令和』の文字のみを利用してグッズを販売する行為が商標権侵害になることはないと考えてよいと思われます」

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