寝食を共にする勢いでスタートアップを支援 「ドコモ・イノベーションビレッジ」を率いる秋元副社長に聞く
――9月に行われた第1期のサービス発表イベント「Demo Day」ではカップル向けアプリ「Pairy(ペアリー)」を提供するTIMERS inc.(タイマーズ)が優勝しました。
タイマーズのメンバーは非常によくやってくれました。栄えある第1期プログラムの卒業生なので、「もし成功しなかったらただじゃおかないぞ」なんてプレッシャーをかけているところです(笑)。
個人的に、完全にオープンなSNSには違和感を持っており、クローズドなコミュニケーションを実現できるサービスはないか、と探していた。実は、第1期プログラムの選考より前に、ペアリーを見つけて、私自身が使っていたんですよ。そうしたら選考会に彼らがやってきたので「使っているよ」と。
彼らが目指しているのは、カップルだけでなく、結婚後の夫婦まで使えるようにするなど、特定の人とのつながりを深められるサービス。こうしたニーズは着実にある。多くの方に刺さるサービスになっていくのではないかと期待しています。
――卒業チームとの交流は続いていますか。
卒業チームとは定期的にコミュニケーションをとっています。カフェスペースでは、週1~2回ほど、社内外の方を招いてイベントを開催していることもあり、出席している卒業チームには毎回必ず声をかけている。
実は、今もタイマーズのチームがワーキングスペースに陣取っているんです。プログラム期間中よりも、張り付いている時間は長いんじゃないかな(笑)。何年もいられては困るけど、卒業チームが気軽に訪ねてくれる環境は維持していきたい。それが、継続的な支援のきっかけにもなる。
第2期にはNTTグループ他社も参加
――第2期は「パートナーブースト枠」を設けるなど、選考方法を変更しました。
もともと、ドコモだけのプログラムではなく、オープンにしていろいろな企業に集まってもらいたいという思いがあった。まずはグループ企業から、NTTデータ、NTTぷらら、NTT西日本の各社に参加してもらい、各社の担当者もサポートに加わる「パートナーブースト枠」というものを新設した。今回は「えがおの株式会社」チームに対し、NTT西日本が協力することになった。次回以降は、NTTグループ外の企業と積極的に手を組んでいきたい。
とにかく、いろいろな企業に集まってほしいと思っています。スタートアップはドコモだけでなく、さまざまな会社の知見や経験が反映されることで、飛躍的に伸びていく可能性がある。成長した結果、ドコモのビジネスにプラス影響をもたらすというのが理想的な形。以前から、参加チームだけでなく、国内外のスタートアップやベンチャーキャピタル関係者が常に出入りするような雑多な空間にしたいと思っていたが、最近になってようやくそれらしい環境になってきた。
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