子どもにクレジットカードを持たす親の言い分 高級レストランで食事をするティーンも
それは奇妙な光景だった。7歳の男の子がベーカリーに入ってきて、菓子パンを買う際に、「母親の友人のクレジットカード」で支払うと店主に伝えた。店に居合わせた大人全員が静かに息を飲んだ。店主は優しく、そのような方法で支払うことはできない、と説明した。男の子は肩をすくめてベーカリーから飛び出していった。
こうした光景は、珍しいものではなくなってきている。
ニューヨークの地元紙、ニューヨークポストは、最近、クレジットカードを持ち、高所得者向けの環境でカードをちらつかせる10代やそれ以下の子どもたちについての記事を掲載した。記事では、タクシーで登下校するのにクレジットカードを使っているレベッカ・レイヒさんという、14歳の女子に焦点を当てていた。
カードを持つ子どもの数は5年間で4倍増
レイヒさんと友人が、「Nobu」のような高級レストランでディナーを楽しんでいるという話に対して、アメリカ東海岸の一般的な母親であるトレイシー・ジャクソンさんは「私自身も、子どもにアメックスのブラックカードを何のルールや制限も設けずに子どもたちに与えている親を何人か知っている」とコメントしている。「ニューヨークでは10人の友人のために、2000ドルの夕食代を払う14歳の子は珍しくないわ」。
実際、クレジットカードを持つ子どもの数は増え続けている。ティー・ロウ・プライスハウスが2017年に行った調査によると、クレジットカードを持つ8歳から14歳の子どもの数は5年間で4倍に膨らんだという。
調査はさらに、8歳から14歳の子どもの18%が、両親の口座のクレジットカードを親から許しを得て使っていることも明らかにした。調査によると、8歳から9歳の13%、10歳から12歳の18%、そして13歳から14歳の19%がカードを所有している。
「デジタル化が進みつつある中、子どもは小切手を現金化する方法ではなく、クレジットカードがどう機能するのかを知らなければならなくなっている」と、ティー・ロウ・プライスハウスでシニアフィナンシャルプランナーをしていた経験を持つスチュワート・リッター氏は指摘する。子どもにクレジットカードを使わせることは現代の金銭取引について学ばせる有効な方法の1つだというのが彼の見方だ。
これに対して、9歳と12歳の子どもを持つケイティ・ロームさんは意義を唱える。「8歳や14歳の子どもが自分たちのクレジットカードでどうやって支払えるの?」と疑問を呈する。「子どもたち自身が請求書を受け取るの?クレジットカードは、借金や悪いお金の習慣に結びつきかねないわ」。
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