男性医師以外と結婚した「少数派」女医の人生観 7割が選ぶ中であえて違う道を行ったワケ
川上智子さん(仮名、34歳)は、美容クリニックに勤務する一方、生理改善アドバイザーとしても活躍する女性医師だ。夫は2歳年上の自営業者で、学歴は高卒である。知り合ってから2カ月、交際してから2週間で電撃入籍した。年収は、智子さんが約2000万円であるのに対して、夫は約400万円。実に5倍の収入格差がある。
実は川上さんのような結婚相手の選び方は女医の中では「少数派」だ。いささか古いデータとなってしまうが、東京大学社会学研究所が刊行する研究誌『社会科学研究』へ2012年に掲載された論文によると、女医の配偶者の職業が男性医師である割合は73.7%とされていた。2019年現在では少し状況が違うかもしれないが、それでも劇的に数字が変わってはいないだろう。
なぜ医師同士で結婚するのか?
そもそも医師は結婚相手の男性として女医のみならず一般女性からも極めて高い人気を誇る職業であるが、数多くの女医はかなり強い意思を持って男性医師を伴侶に選んでいると言える。女医の結婚事情に精通する「医師のとも」(本社・東京都渋谷区)の柳川圭子代表取締役によると、その理由は主に次の4つに集約されるという。
② 医師以外の出会いが少ない中、自分の身近にいる存在
③ 世間慣れしていないので、医師以外の価値に気づきにくい
④ 騙す人が近づいてきやすい職業なので、騙されたくないという警戒心が強い中、医師ならば安心できる
もともと名誉と経済力を保持する女医が男性医師と結婚することで、より盤石な家庭を築ける。一方、あえて男性医師とは結婚しないというスタンスを取る女医たちの本音は何なのか。川上さんは「あくまで個人的意見」と断ったうえでこんな話を明かしてくれた。
「私はもともと医師とは結婚したくないと考えていました。なぜなら、医師同士の結婚だと将来が見えてしまうからです。子どもの学校にしろ、旅行先にしろ、医師家族の価値観はどこもだいたい一緒。そうした予定調和の人生を送ることに疑問を感じていました」
かなり辛辣だ。とはいえ、収入に大幅な差がある相手と結婚することに抵抗はなかったのだろうか。川上さんに尋ねてみると、
「私は自分の年収が生活に十分な水準にあるので、結婚相手の収入に頼るつもりはありませんでした」(川上さん)
と回答してくれた。
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