マツダ「CX-30」は、兄弟車と何がどう違うのか まったく新しいSUVとして開発された意味
3月にスイスで開かれた今年のジュネーブ国際モーターショーで、マツダのまったく新しい車種として「CX-30」が公開された。マツダ独創の「魂動」デザインは評判が高いが、CX-30も美しいとの評価とともに、従来のCX-3から進化した実用性や、ちょうどいいと思わせる車両の大きさなど、全方位的な好評を得ている。
先に、昨年のロサンゼルス(LA)オートショーで公開されたマツダ3(国内名はアクセラ)とともに、CX-30は、マツダが2018年4月の決算に合わせて発表した、新しい車両構造技術「SKYACTIV・ビークル・アーキテクチャー」の第2弾(マツダ3が第1弾)となる。
マツダにとって欠かせないSUV
マツダは、年間販売200万台規模の自動車メーカーを目指しており、着実に進歩を続け、現在は160万台規模に成長している。それを後押ししているのが、2012年にマツダが新世代商品群第1弾として投入したCX-5をはじめとするSUV(スポーツ多目的車)だ。当時、SUVは販売構成の10数%を占める程度であったが、今日では半数近くをSUVが占めるようになった。
CX-5のあと、より小型のCX-3が投入され、海外ではCX-9などSUVの裾野を広げつつ、2016年のCX-5の2代目以降は、3列シートを採用したCX-8が国内市場に導入され、2代目CX-5とともに国内市場を牽引している。そこに、CX-3に通じるとみられる新たな価値としてのCX-30が加わり、欧州での発表だったとはいえ国内へも展開される予定と考えられる。
マツダの経営を支える商品として、SUVは今や欠かせぬ存在だ。マツダの商品開発の様子を改めて検証してみる。
SUVの起こりは、トヨタ・ハリアーとみられている。ハリアーは、前輪駆動の4ドアセダンであるカムリを基に開発された。したがって、見かけこそジープ的な車高の高い4輪駆動車風ではあるが、それ自体は車高を上げた乗用車といった価値ではじまっている。
同時にトヨタにはRAV4があり、こちらは1994年にカローラやセリカなどの部品を活用しながら誕生したが、より悪路走破性を視野に入れたクルマであった。ただ、それまでのランドクルーザーやランドクルーザープラドなどに比べれば、未舗装路は走れても悪路走破に長けているというほどの頑強さはなく、日々の暮らしにも扱いやすい車種として誕生している。
いずれにしても、ハリアーやRAV4は、SUVの特徴が生かされるアメリカ市場で圧倒的支持を得るようになった。そしてほかの自動車メーカーも、たとえポルシェやBMW、マセラティなどでさえ、SUV商品に力を注ぐ時代となった。
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