マツダ「CX-30」は、兄弟車と何がどう違うのか まったく新しいSUVとして開発された意味

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

日本のトヨタが商品として先行はしていても、国内の消費者のSUV志向は、マツダCX-5が登場してから成熟がはじまったのではないか。

CX-5によって、SKYACTIVと名付けられた技術が本格展開され、また魂動デザインがそれぞれの商品に徹底して導入されていった。技術と造形の両面からマツダへの期待は高まり、そしてSUVの魅力が浸透していった。

概念の共通化で、多様な車種を構成

SUVに限らずではあるが、マツダが開発した新技術を惜しみなく商品へ展開する背景にあるのは、一括企画と呼ばれる商品や技術の導入計画と、ものづくり革新と呼ばれる開発や生産の改善と進化である。今日こそ、160万台規模の販売を実現するマツダではあるが、かつて120万台程度であった小規模自動車メーカーが存続するための独自性を発揮するものづくりが創造されたのであった。

中でも、コモンアーキテクチャーと呼ぶ、部品など物ではなく機能や性能の本質を高め、それを各クルマの統一概念とする開発手法は、車種構成を多用にするカギを握った。例えば、エンジン排気量や、ガソリンかディーゼルかといった違いはあっても、狙うべき性能目標や、そこに到達すべき技術導入の仕方を統一し、基礎研究があらゆるクルマに適応できるような考え方をマツダは推進した。部品の共用ではなく、概念を共通化することで、多様な車種を構成できるのである。

SUVはもちろん、小型車から上級セダン/ステーションワゴンに至るまで、一定の性能や品質を保持できたのは、こうした開発手法を徹底した成果である。

次の段階といえるのが、SKYACTIVではXと呼ばれるHCCI(予混合圧縮着火)を実用化するためのSPCCI(火花点火制御圧縮着火)であり、車体ではラージとスモールに分けた車両構造技術「SKYACTIV・ビークル・アーキテクチャー」であろう。

SKYACTIV-XのSPCCIは、点火プラグによる着火は行うものの、それはきっかけにすぎず、ディーゼルエンジンのように圧縮着火を促すことにより、いっそう均一な燃焼をガソリンエンジンで行う高効率化技術である。これには、モーター機能を備えた電動化技術が応用されるかもしれない。プラットフォームのラージとスモールという考えも、車種の充実をよりはかるための新たな戦略であろう。

次ページCX-30の寸法から見えてくるもの
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事