33歳、極めて独創的な「文様」で稼ぐ男の生き方 意味を重ねた物語がつながって広がっていく

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お遍路を続けている途中で亡くなった人が、成仏できず回り続けているんだという。だから小屋の周りを回っていても、小屋の中には入ってこない。

「ずっと迷ってるってかわいそうじゃないですか?」

アプスーさんが言うと、老人は、

「かわいそうやけど、もし戸を開けて中に入ってきたらお兄ちゃんにつくで」

と返した。

「僕もまだ若かったですから『つくんならついてもいいや』ってガラガラって開けたんですよ。そうしたらシャン!!って鈴の音がなくなったんです」

老人はその様子を見て、

「あ~あ、知らんでお兄ちゃん」

と言った。

自分なりの怪談会を定期的に開催

「……そんな経験談はたくさんあります。もちろん全部幽霊だとは思ってません。ほとんどは偶然や、脳の誤作動だと思ってます。

でもそれでも、やっぱり面白いですね。偶然の積み重ねや脳の誤作動を、自分の中で記憶補正して“幽霊譚”にする。それってすごいロマンチックじゃないですか。そんなロマンチックな時間を、みんなで共有したいと思ったんです」

アプスーさんは、自分なりの怪談会を始めた。怪談のバックでミュージシャンに即興で音楽を弾いてもらうという、かなり独創的な会だった。

怖いだけではない、不思議で奇妙な気持ちになる怪談会は話題になり、現在も定期的に開催している。

「文様作家、怪談会などの活動をしているうちに知り合いも増えて、いつの間にか会社のコンサルタントの仕事がくるようになりました」

企業コンサルタントとは、企業や会社の悩みを聞いて、その解決策を提示する仕事だ。

アプスーさんの周りには、ウェブのできる人、デザインのできる人、音楽を作れる人、プロモーションビデオを作れる人、などの人材がそろっている。会社の悩みは、だいたい、アプスーさんの周りの人たちの手で解決できた。

アプスーさんはその流れから、

『クラフトビールのプロモーションビデオ、パッケージデザイン』

のプロデューサーなどの仕事をこなした。

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