33歳、極めて独創的な「文様」で稼ぐ男の生き方 意味を重ねた物語がつながって広がっていく

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これまで手がけた文様の作品群(筆者撮影)

企業だけではなく、作家や職人にコラボレーションを申し込まれることもある。

「忙しくなったのはとてもよかったんですが、音楽活動ができなくなったのはストレスでした。そこではじめたのが怪談会でした。僕はそもそも怪談が大好きでした。僕自身も体験したことがあるんです」

幽霊? それとも幻覚?

例えばアプスーさんがお遍路をしているときの話がある。

第十二番札所焼山寺への道へさしかかった。ここは「遍路ころがし」と呼ばれる、険しい坂道をたどる難所だった。

アプスーさんは山小屋で休憩を取ることに。山小屋にはアプスーさん以外にも3人いた。

眠っていると、夜中に外から『シャンシャンシャン』という錫杖の鈴の音が聞こえてきた。

(こんな時間に?)

起き上がると、ずっとお遍路を続けているらしい、部屋の隅にいた老人が、

「お兄ちゃん、やめとき。あれは死人や」

と言った。

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