建設現場の外国人「処遇改善」で日本人と大差 建設キャリアアップシステムで何が変わるか

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外国人労働者のCCUS加入義務化に異議を唱えたのも、外国人を安い賃金で使い続けようという思惑が働いているからだと見られても仕方がない。

さすがに国土交通省の野村正史・土地・建設産業局長も「技能実習生制度で建設業界が受け入れているは全体の1割だが、失踪者の4割を建設業界が占めており、こうした状況を改善する必要がある」として、義務化に理解を求めた。

すでに日本の建設業界における外国人実習生の処遇が劣悪なことは海外にも知られるようになり、日本を敬遠する外国人が増えているといわれる。国交省では、特定技能外国人の受け入れに向けて、東南アジアなどの送り出し国を事前に訪問し、処遇改善を条件に協力を要請した経緯がある。すでに建設業界内だけの問題ではなくなっている。

外国人労働者は「月給制」が義務

日本国内にも、外国人労働者の処遇を改善しないまま受け入れを拡大した場合、日本人労働者の処遇改善が進まないことを懸念する声がある。そのため外国人労働者の受け入れ企業には、日本人と同等技能を保有している外国人には同等の報酬を支払うことを義務付けた。

それを担保するためにCCUS加入を義務化したわけだが、外国人にIDカードを保有させれば、日本人にIDカードを持たせないわけにいかなくなる。さらに国交省は、外国人労働者には「月給制」の導入を義務付けることにした。

建設技能労働者の処遇改善が進まない最大の理由は「日給月給制」の慣習にあるといわれてきた。日給ベースで計算して、働いた日数によって月給が変動する給与制度だ。これはアルバイトやパートと同じ待遇であり、月ごとの収入も不安定になる。建設労働者の中には「日給月給制は働いた分だけ給料が増える」という声もあるが、ほかの産業と同じ「月給+残業代」のほうが望ましいはずだ。

人手不足で受け入れた外国人には「月給」を支給し、日本人には「日給月給」しか払わないのでは、日本人のほうが黙っていないだろう。「外国人受け入れを突破口に、日本人労働者の処遇改善が進むかもしれない」と、全国建設労働組合総連合(全建総連)幹部は期待する。

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