富士山の入山料「任意で1000円」は絶対安すぎる 日本の観光地では京都と並び「苦悩の双璧」

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富士山は日本の象徴であり、誇りです。そのような山を守る義務として5000円、いえ1万円の入山料でもいいくらいです。

「世界的に価値のある富士山のために、1万円の入山料を徴収します」と宣言すれば、本当に登りたい人だけが登るようになるでしょう。登山客は10分の1に減っても、入山料収入は変わらないまま、ダメージを10分の1に減らすことができるのです。

竹田城跡の観覧料は500円

兵庫県朝来市の「竹田城跡」は、雲海に包まれた朝の神秘的な光景から「日本のマチュピチュ」とSNSで拡散され、一時期、年間来場者数がブーム以前の数十倍である50万人以上に急増しました。

今はブーム時に比べると落ち着いた感がありますが、多くの人が足を運んだ結果、損傷が進み、2013年当時には地中に埋まっていた16世紀末の天守閣の瓦が露出し、それが踏み砕かれるなどの被害が相次ぎました。

竹田城跡の観覧料は、現行で500円です。これも水準として安すぎます。

ちなみに海外では、国立公園が相応の入園料を取ることはむしろ「当たり前」です。例えばアメリカを代表する国立公園であるグランドキャニオンやヨセミテでは、2018年12月現在、車1台35ドル(約3800円)となっています。

しかも最近では、観光のピーク時にはその倍の70ドル(約7600円)にするという提案も国立公園局によって行われています。

ケニアのナイロビ国立公園は大人の旅行者1人につき、43ドル(約4700円)を徴収しています。エアーズロックで有名な、オーストラリアのウルル・カタジュタ国立公園の入園料は、大人が25ドル(約2700円)です。

さらにニュージーランドのフィヨルドランド国立公園は、数カ月前からの予約制が敷かれていて、1日に入山できる人数を最大90人とするなど、すでに徹底した観光客の「総量規制」が実施されています。それによって、ここでは適正人数で回る価格帯の高いツアーが定着し、「クオリティー・ツーリズム(質の高い観光)」が実現しているのです。

竹田城跡を訪問する価値は、少なくとも500円の数倍になると思われます。その価値に沿って、例えば観覧料を2500円に上げれば、竹田城跡のダメージは格段に軽減されます。

そもそも文化的あるいは環境的な価値が高い場所は、観覧料が少々高くても、本当に行きたい人たちは行きます。もし足を運ばなくなった理由として「観覧料が高いから」という人がいたなら、それはおそらく竹田城跡に大して興味を持っていない人なのではないでしょうか。

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