「令和」の日本に残された3分野の大きな難題

マクロ、産業、立法・行政・司法を総点検

しかも、第2次安倍政権になってからは、「アベノミクス」と称する異次元の量的緩和政策を実行し、マイナス金利まで導入して、経済政策としては史上最強とも言える強硬手段に出た。残念ながら、6年が経過した今も回復の兆しはない。問題なのは、安倍政権時代の経済政策は大きな賭けと言えるのだが、万一賭けに失敗して裏目に出たら、日本経済は奈落の底に落ち込む可能性があるということだ。

例えば、大きな賭け=博打を打った結果として、副作用となったのが莫大な財政赤字だ。景気回復に結びつかない公共投資のバラマキやマイナス金利といった異次元の量的緩和によって、金利の上昇を意図的に封じ、今や
GDPの230%を超すまでに債務として膨らんでしまった。日本の未来に大きな「負の遺産」を残そうとしている。

莫大な財政赤字をどう解消していくのか。令和の新時代に課せられた大きな課題と言ってもいいだろう。 日銀による異次元の量的緩和では2%のインフレ目標を達成できない。世の中にお金の量を増やせばインフレになる、といった単純な金融政策は、日本経済には通用しなかったということだ。

財政赤字の問題も、消費税を恐る恐る上げて税収を増やそうとしているが、安倍政権ではいっさい手をつけなかった政府支出の抜本的な削減は、本当に必要ないのか――。令和時代には好むと好まざるとにかかわらず、博打の結果がわかるはずだ。

(2)産業界の問題点
 ① 「低い生産性」
 ② 「内部留保」をためまくる大手企業
 ③  深刻な「人手不足」
 ④ 「新卒一括採用」「終身雇用制」を捨てられない日本企業の後進性
 ⑤ 「働き方改革」でも修正できない女性活躍社会の壁

現在の日本企業の問題は、業種などによっても大きく異なるが、グローバルな技術革新のスピードについていけない企業が多いのではないか。アメリカと中国の間で、日本政府自体がうろうろしている状況の中で、日本企業も優柔不断な姿が目立つ。

リスクを取って投資できない日本企業

通信の革命と言われる「5G」も、韓国とアメリカが相次いでサービスの一部をスタートさせたが、日本は周波数の割り当てをここに来てやっと各社に決めた。明らかに政府が民間の技術革新を遅らせ、足を引っ張っている
――。そんな状況から、平成は脱却できなかったと言える。

さらに、日本がバブル崩壊後の景気低迷を脱することができない背景には、世界の潮流の最先端を独占するような独り勝ちの企業が少なく、本来なら淘汰されるべき企業が数多く生き残っている現実がある。

そうした中小企業の多くは、国際的に第一線に躍り出ていく研究開発費もなければ、海外の有力企業をM&Aによって取り込んでいく、といった大胆な経営戦略や投資もできていない。もともと生き残れなかった企業に、そんなパワーもなければ、人材もいない。

その結果、日本企業の多くが国内だけで生き残ることを考え、日本ではつねに需要過多の状態が継続することになる。日本がデフレから脱却できない理由の1つと言っていい。

次ページ膨らむ内部留保
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • コロナ後を生き抜く
  • 住みよさランキング
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
トレンドライブラリーAD
人気の動画
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
生前贈与がダメになる<br>相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。年110万円まで非課税だった生前贈与が税制改正により認められなくなる可能性も。本特集では相続の基本から、よくあるトラブルと解消法、最新路線価に基づく相続税額、さらに生前贈与の将来動向まで取り上げました。

東洋経済education×ICT