「ゲッツ!」ダンディ坂野に仕事が絶えない理由 「仲間の助言で生まれた」一発ギャグ誕生秘話
テレビ番組だけでなく各地で営業もしていたダンディさん。テレビ番組とは違った苦労もあったとか。
「おかげさまでいろんな場所に営業で呼ばれるんですが、後楽園のジェットコースターの前でネタをやったときは、オチのところで必ずジェットコースターが近づいて聞こえないという……。
あとは、競馬場のレース終了後に、1着馬とその関係者を表彰するウイナーズサークルという場所があるんですが、その場所でネタをやってと言われても、お客さんが四方八方にいて、どこを向いてやればいいのかわからないってのもありましたね(笑)」
ある意味ネタにもできそうなエピソードもあるが、営業ならではの地獄のような体験もあったという。
「一番怖いのが、場違いというやつですね。会社の集まりなんかに呼ばれたときは、スーツを着た大人の前で『ゲッツ!』なんてやっても、ウケるわけがないんですよ。だから、場違いになる営業先だけは地獄です(笑)」
まさかの拍手!?「ゲッツ!」の変化
老若男女、万国共通のギャグも場面によってはウケないようだ。そんな「ゲッツ!」が最近では御利益のような受け取り方をされるようで。
「最近は『ゲッツ!』をやると、爆笑から拍手に変わりつつありますから(笑)」
その「ゲッツ!」というギャグは、マツモトキヨシのCMで一躍有名になったが、意外な助言から生まれたという。
「実は舞台に上がるときに『ライドオン・ゲット!』と言っていたんですが、舞台袖で聞いていた芸人たちが、『ゲッツ!』って聞こえると言うんです。
自分では『ゲット』と言っていたんですが、どうやら滑舌が悪かったらしくて。それで、逆に『ゲッツ!』と言うと、面白いんじゃないかとみんなから言われたんで、次から『ゲッツ!』で上がったら、お客さんの反応はなかったのですが、舞台袖の芸人たちが大爆笑だったんです。
この世界、芸人にウケたら売れるみたいなうわさがあるんですよ。それで、『ゲッツ!』になったんです」
意外にも滑舌の悪さから生まれたという国民的ギャグ。ブレイクした当時の生活を振り返ると。
「半年以上休みなしで、美容室や買い物にも満足に行けず、うれしいというよりはイライラが重なってきて、当時の現場マネージャーと言い争いになったりもしました。
サンミュージックも僕の代でお笑い部門ができたので、スタッフとも二人三脚でやってきたんですよ。スケジュール表も何が書いてあるかさえわからないぐらいに全部埋まっていましたね」