「令和」時代に日本人が巻き込まれる3つの大波 大胆予測!外交戦争が起き、一億総情報弱者に

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それ以上に問題なのは情報洪水です。世界で処理される情報量が平成時代からさらに2ケタないしは3ケタのレベルで幾何級数的に増加します。するとこれまで情報強者と言われた人たちでさえ、世界のほんの部分的な情報しか把握できないようになります。何かの情報を手がかりに「儲かるかも」と思って動いても情報に入っていなかったほかの力が働いてまったく儲からない、そんな出来事が増えていきます。

結局のところ令和の時代では、いちばん快適な人生はAIが示唆するとおりに行動して買い物して日常を過ごすこととなっていきます。スマホの画面に表示される記事やブログはすべてAIが最適と選んでくれたものばかり。そこから欲しいものをタップして購入したり、気が合いそうな仲間と過ごすお店を予約したり。情弱として受動的に生きていたほうがずっと生きやすい。

令和の時代、ごく一部のIT企業を除き、世界中の人すべてが情報弱者になる時代。やってくる情報だけを読みながらぬるま湯につかったように暮らすことが心地いい。それがいいことなのか悪いことなのかわかりませんが、そのような時代がやってくると見ています。

格差の緩和によって、「人生の価値」が変わる

そして最後の予測。

令和の時代にもう1つ起きることは、「お決まりの人生を過ごすことの価値が大きく下がる」という現象です。学校や塾で一生懸命勉強して、いい大学に入りいいゼミで活動して、一流企業に入社して何社か転職しながらキャリアアップをしていく。無意識のうちに大多数の人が、それがいいと思ってきた人生の価値が令和の時代には下がるでしょう。

そもそもこのようなライフプランは昭和の時代がその頂点でした。平成になって「いい会社に入ってもそれほどいいことはない」ことがはっきりしてきたのですが、それでも平成の時代は正社員と非正規労働者の間には大きな収入格差がありました。その格差が令和の時代には消えていきます。それも正社員の報酬が非正規労働者の方向に近づいていくのです。

ではそのような時代に、いちばんいいキャリアとは何でしょうか? それは「決められたレールを外れて生きてみる」ことです。

昭和の時代の若者がなかなかできなかったことはレールを外れて生きることでした。役者になりたいと思っていたがあきらめて就職した、音楽の世界は学生までであきらめて趣味にとどめることにした。やりたいことを目指すと生きていくこと自体が難しいというのが昭和の時代でした。

平成の時代は昭和に比べると、自分がやりたい人生を選ぶ人は増えてきたと思います。どうせ自分の人生なのだから、いちばんやりたい仕事に就きたいと考えることが比較的当然のことだと若者が考えるようになってきました。大学生の進路希望でも会社員よりも起業を選ぶ人が増えてきたのは1つの傾向です。

とはいえ私の周囲でも芸人さんや役者さんの生活話を聞くと、生きてはいけても、売れないかぎりはその生活はなかなか楽なものではありません。IT企業を起業して投資を受けて会社を伸ばそうとした人でも、一度失敗すると、二度目にもっといい事業計画を考えて投資家を回ってもなかなか投資をしてくれる人が出てこないといいます。

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